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2月20日、みずほ銀行は、デジタル送金プラットフォーム「J-Coin Pay(ジェイコインペイ)」のサービスを3月1日から開始する事を発表しました。

「J-Coin Pay」は、スマートフォンによるQRコード決済機能や、ユーザー間送金機能等を備えており、銀行口座を使った入出金にも対応しています。

3月25日以降は、参画金融機関でも取り扱いを開始するとの事です。

スマホ決済の真打登場か

みずほ銀行が中心となって、三井住友銀行や新生銀行などの大手銀行に加え、全国60の大小銀行が参画している「J-Coin Pay」は、いよいよスマホ決済の真打が登場したかという印象です。

しかし、サービス内容などを見てみると、すでにスマホ決済として名も実も挙げつつある「PayPay」や「LINE Pay」「楽天ペイ」等とは趣が違う事に気づきます。

60もの金融機関の預金口座から、手数料無料で入金(チャージ)・出金(払い戻し)が行え、利用者間送金も無料なため、個人間送金では抜群の強みを見せるのは間違いなさそうです。

LINE Payも個人間送金をアピールしていますが、送金するには、まず相手がLINE友だちである事が大前提であり、LINE Payで本人認証を済ませておく事が必要がある等、ちょっとした手間がかかります。

その点「J-Coin Pay」は、アプリをダウンロードすれば参画銀行の口座と紐づけてすぐに利用する事が可能なため、個人間送金においては最強となる可能性が高いと感じます。

スマホ決済機能にポイントや還元がない

「J-Coin Pay」には、地方の小規模店舗などを想定したスマホによるQRコード決済機能も搭載されています。

現時点での参加店舗は、キャッシュレス化に積極的なファミリーマート、ビックカメラをはじめ、「ウエルシア薬局」「ダイソー」等、他の決済に参画していないチェーンや、東急電鉄やJR東日本などのビッグネームが名を連ねるところはさすが大銀行主導という印象です。

しかし、決済機能利用時のポイント付与や、残高還元などの利用者特典の記載が見られません。

現在のスマホ決済の話題性の高さは、偏に「100億円あげちゃうキャンペーン」から発している事は確かですし、追従するLINE PayやD払いが20％の高還元率を売りにしている事もまた事実で、ユーザーの頭の中には、ポイント付与や残高還元があるのは当然として、「どの決済を利用すると得なのか」という取捨選択が生じています。

そんな中で、ポイント付与も残高還元もない「J-Coin Pay」がスマホ決済の覇権を握れるのでしょうか。

いくら大銀行主導で、全国津々浦々の銀行や信用金庫・信用組合(今後の参画期待)が、利用可能店舗を開拓しても、利用者の方が決済方法として選択しなければ、簡単に覇権を握れるとは考えにくいのではないでしょうか。

「利用者側のメリットは無視かよ、さすが大銀行」といった穿った見方をしないまでも、利用者に顔がむいていないな、という印象は否めません。

もちろん筆者は、3月以降に利用可能になったら使ってみたいと思っていますが、現状、ネット専業銀行の参画がない事と、スマホ決済の「お得感のなさ」が気になります。