Apple Watch Series4に搭載された心電図機能が、自分でさえ気が付かなかった心臓からの悲鳴をキャッチし、九死に一生を得たというニュースが話題となっています。
ワシントン州に住む男性は過去に心房細動の治療を受けていたのですが、常に症状が出ているわけでないため、医師に処方されていた抗凝血剤を飲まずに過ごしていました。
そんなある日、男性がしていたApple Watchから不規則な心拍数を計測したとアラートが上がったのです。過去に治療の件もあるし何かあってからではと、男性はパシフィックメディカルセンターのマッセイ医師を訪ねました。
マッセイ医師はすぐに入院をすすめ、男性は緊急入院することになりました。そして精密検査を受け、下された診断結果は「心房細動」でした。実は男性はApple Watchがアラートを上げるまで、まったく気がついていなかったそうです。
もしApple Watchを持っていなかったら、もしApple Watchのアラートを無視していたら、男性を待っていたのは最悪な結果だったかもしれません。
心房細動は心臓の拍動が早くなったり遅くなったり、一定のリズムで拍動しなくなる症状をいいます。
わかりやすく言うと、手首で脈を測ると規則的に一定のリズムで「ドクン」と脈を打ちますよね。これが心房細動を発症するとリズムが一定ではなくなり、早くなったり遅くなったりします。
なお心房細動自体は発症しても、すぐに死に至るような重い症状ではないそうです。ただし心房細動が原因で別の重い症状を発症する可能性が高く、脳梗塞や心不全などの原因のひとつに挙げられています。
この男性は過去の心房細動治療の経験からApple Watchを購入し、普段から心拍数や心電図による記録を行っていたのかもしれません。もしも男性がそのまま気が付かず心房細動を放置していたら、脳梗塞など死に至る症状を起こしていたかもしれないのです。
マッセイ医師はApple Watchの計測結果をみて、「心房細動が再発症していることを確信した」とコメントしています。他にも同センターの女性看護師もApple Watchで記録した心電図は、あまり正確ではないだろうと疑ってかかっていたと話しています。今では女性看護師もApple Watchの計測結果には疑いを持っていないとのことです。
Apple Watchが心臓の疾患を見つけ、九死に一生得たという話は少なくありません。日本で発売されているApple Watch Series4にも心電図を記録する機能は搭載されていますが、watchOS上でロックされているため現段階では利用することができません。
しかしこのように目に見えない心臓の疾患を、早期に発見し治療できれば多くの人を助けることができるでしょう。早々に国内での利用を開始してもらいたいですね。
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