去る2月27日より、iPhone 7の提供が開始となったNTTドコモが提供する「ドコモwith」が、今春にも新規受付を終了する可能性を日本経済新聞社電子版が伝えています。
日本経済新聞社が、NTTドコモ吉澤社長に聞いたところによると、総務省が導入を進める「分離プラン」と、端末代金を一体となったプラン料金から割引する「ドコモwith」の仕組みと合致しないためだといいます。
菅官房長官の「携帯電話料金は4割値下げできる」との発言や、総務省の強い意向を受け、NTTドコモはすでに、2019年4-6月期に、料金値下げによって4,000億円規模の顧客還元を行う事を発表しています。
しかし、単純計算では、NTTドコモが抱える利用者数に均等に分配し、12か月割りにした場合のユーザー1人当たりの恩恵額は、僅か数百円程度になってしまいます。
これについて、吉澤社長は「値下げのメリットを感じられるかは利用者によって変わる。すべての人の通信料金を4割下げてしまうと経営が立ちゆかなくなる」として、全ユーザーが等しく恩恵を感じられるような形での値下げを考えていない事を示唆しました。
また、吉澤社長は「ドコモウィズで通信料金を安くできる前提として安価な端末の提供がある。完全分離プランが必須となると、それもできなくなる。新規契約を打ち切る可能性がある」とも述べており、新たな分離プランの導入のタイミングで、「ドコモwith」の継続は難しいとの見解を示しています。
このところの動きを見ていると、総務省はいったい何をしたいのかよく分からないところがあります。
確かにドコモwithは分離プランではないかもしれませんが、特定の端末限定ながら、新たな端末を購入して、しかも支払額が割安になる点で、総務省の消費者負担の軽減の意向を汲んでいると思われますが、「分離プランではないからダメ」なのでしょうか。
散々「格安」「格安」と連呼しておいて、結局は大手キャリアに料金の値下げを実施させる事で格安通信サービスの首を絞める結果となっていますし、「分離プラン」導入に固執するあまり、料金+端末購入の消費者負担を逆に増加させ、「新品が買えないなら中古を買え」とばかりに中古端末拡大路線で、スマートフォンメーカーの首を絞めている有様です。
ちぐはぐな行政の結果、最後に生き残るのは大手キャリアばかり…等と言う事になったら、総務省のやってきた事は何だったの?という事にもなり兼ねません。
source:nikkei
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