MMD研究所は、13~59歳の男女563人に対し「スマーフォンの料金に関する調査」を実施しました。
563人の内訳は、大手3キャリア利用者:74.6%、格安SIM利用者:23.1%、分からない・利用していないが23.3%で、男女比はほぼ半々、年代では10代(8.7%)を除く20/30/40/50代で20%前後の比率でした。
調査でまず聞いたのは、機種代金・オプションを含む「1か月のスマートフォン料金の総額」でした。
格安SIM利用者は月間3,000円未満の回答が多く、半数近い43.1%が2,000円未満、次いで3,000円未満が23.1%で、この両方を併せた66.2%が月間の料金が3,000円未満と回答しました。
一方の大手3キャリア利用者は、幅広く分布が広がる傾向ですが、5,000~9,000円に集中が見られ、この料金帯で45.3%を占めており、一般に言われる、大手キャリアの料金は7~8,000円を如実に物語る結果となっています。
次の設問では、「スマートフォンを購入した時のスマートフォン本体の金額」を聞いています。
ここでも、大手3キャリア利用者と格安SIM利用者では購入価格に差がありました。
格安SIM利用者が、30,000円未満に51.7%が集中しているのに対し、大手3キャリア利用者では、50,000~110,000円に58.0%が集中しており、購入端末の価格の違いがハッキリ現れています。
これは、格安SIMでは高額化した最新iPhoneを取扱っておらず、iPhone X以降の高額なiPhoneの購入者が大手3キャリアに集中している事が一定の影響を与えていると考えられます。
それに対して、「分離プランが義務化になった場合のスマートフォン本体に支払える許容範囲の金額」を聞いた際の回答がこちらです。
おそらく次のスマホ購入を踏まえての回答と思われますが、大手キャリア・格安SIMに関係なく50,000円未満に多くの回答が集まり、特に30,000円未満を希望するユーザーが、大手3キャリア利用者では48.3%、格安SIM利用者では56.2%が集中する結果となっています。
大手キャリア利用者の最多希望額が1万円未満というのは、実現は少し難しいようにも思えますが、リテラシーが高いユーザーが多いと言わる格安SIM利用者では、2~3万円で40.8%と実勢をよく理解しているなという印象です。
設問では「分離プランの理解度について教えて下さい」も聞いています。
この設問に対して、6割以上が「理解していない」と答え、「完全に理解している」「やや理解している」の39.6%を上回りました。「完全に理解している」と回答したのは、わずか8.5%で、分離プランへの理解があまり進んでいないことを窺わせています。
この調査に参加した大手キャリア利用者の、格安SIMへの乗換えの意向がどれほどなのかに非常に興味があります。
実際には、大手キャリア利用者は一見割安に見える端末価格が、プラン料金等との総額で見た場合には決して安くはないという現実を知らないまま分離プランへ移行すれば、スマホ端末が異常と思えるほど割高に感じてしまいそうです。
このまま分離プランが義務化された場合、スマホ購入に関しては消費の冷え込みが心配になります。
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