MMD研究所は2018年11月にスマートフォンユーザー向けに実施した、「2018年11月 動画配信サービスの利用と通信キャリア選択における調査」の結果を発表しました。
調査では、スマートフォンを所有している15歳~69歳の男女10,000人を対象に、定額制動画配信サービスの認知度や利用経験を聴取しています。男女比はほぼ半々、年代では40代(24.3%)が最も多く、次いで30代(20.7%)、20代(17.8%)、50代(17.2%)となっており、地域は関東地方が42.1%、次いで近畿地方の18.4%と若干偏りが見られます。
利用経験や利用の検討、さらに認知度について聞いた結果、利用経験が最も多かったのはAmazon Prime、利用検討も最も多かったのは、Amazon PrimeとHuluが同率最多、認知度ではHuluは最も知られているという結果となりました。
さらに、こちらの設問では、各サービスの利用経験者を対象に、無料での利用か、有料での利用可を尋ねていますが、Amazon Primeの利用者の80%が有料利用者だという結果でした。
この結果には頷ける部分があります。
というのも、筆者もAmazon Primeの利用者なのですが、実は、あまり有料利用している感覚がありません。
Amazon Primeは年会費3,900円を徴収されますが、加入した理由は商品購入時の「送料」がお得になるからでした。
年会費3,900円を月額換算すると325円になり、月に1回、Prime対象商品を購入して送料が無料になれば元が取れてしまいますので、Primeビデオは無料で見ている感覚なのです。
Primeビデオは無料利用できませんので、調査結果の20%の「無料利用」の回答は、1か月間の無料お試し期間か、あるいは筆者同様に無料で利用している感覚があっての回答ではないかと思います。
筆者の場合には「送料」ですが、他にも、Primeで利用したいコンテンツは「音楽」「雑種」「パントリー」と様々ですので、Amazon Primeは他のサービスに比べて、他の目的で加入し「ついでに利用している」利用者の割合が多いサービスかもしれません。
話しは変わりますが、Appleは、昨年2018年後半以降、稼ぎ頭のiPhoneが思ったように売れず、世界中でトラブルに巻き込まれ、訴訟合戦の毎日で、10-12月期の売上予想を下方修正する等、苦戦が続いています。
そんなAppleは、iPhoneをはじめとするハードウエア販売から、ソフトウエア販売へ収益の柱をシフトしていると言われており、実際、1月29日にはティム・クックCEOが映像サブスクリプション(定額配信)サービスへの参入を明らかにしています。
アップルは、2020年までに年間売上高を500億ドル(約5兆5600億円)に拡大したいと考えていますが、スマートフォン販売がこれまでのような成長が見込めない以上、アップルはiPhoneに大きく依存しないビジネスを模索せざるを得ません。
現状、Apple MusicやApp Storeは好調な売り上げを示しており、加えてサブスクリプションサービスを開始すれば、ますますその傾向が強まりそうです。
ただ、そうしたコンテンツサービスは、利用するデバイスが普及している事が前提条件ですので、iPhoneやiPadの販売から撤退するわけには行かない事情もありそうです。