スマホ・携帯買取のバイヤーズ.com梅田店です。
2018年11月1日、KDDIと楽天はお互いが推進しているビジネスの長所を共有し、今あるサービスを更に次のステージに強化するための事業協争に合意したことを、プレスリリースを通して発表しました。
Photo:KDDI
この事業協争で、KDDIも楽天もどのようなメリットがあるのでしょうか。
楽天は2019年10月に、移動体通信事業者(MNO)としてサービスを開始します。
今までの楽天モバイルのように仮想移動体通信事業者(MVNO)として、サービスを提供するわけではありません。そのため通信設備やアンテナ基地局、インフラ環境の整備などを自前ですべて揃える必要があります。そうなれば巨額な投資が必要になりますが、楽天は2025年までに6,000億円を投じるというのです。この金額はdocomoが2017年度に投じた通信設備の整備費用と同額で、楽天の投資額を見ると明らかに「誰かに頼ることを想定」した金額となっていることがわかります。
その頼みの綱がdocomoとの友好関係でした。
当初、楽天はdocomoから通信設備を借りて、MVNOではない形でサービス提供を開始し、その間にMNOとしての通信設備を整えるという予定でした。しかし友好関係が結べたのも「EC分野」であって、同じ「通信事業」という土俵にたつ楽天に対して、docomoは差し出された手を弾き返したのです。
楽天は当初の予定が狂ってしまい、設備投資額の見直しやサービス開始時のエリアを絞るなど、相当な進路変更を余儀なくされる寸前でした。そこに手を差し伸べたのがKDDIだったのです。
KDDIの掲げている目標の中に「ライフデザインサービス」を拡充していくことをあげています。
これはKDDIが持つインフラを使って、今の生活をよくしてもらおうというものです。KDDIとして通信網はNTTと匹敵するぐらい強力な武器となっていますが、EC分野を拡大したいKDDIはauウォレットやau PAYなどの決済が利用できる店舗やオンラインショップを増やし、物流も楽天のようなアドバンテージを活かしたサービスを提供したいと考えていました。
KDDIと楽天はお互いの求めている分野で競合することに合意したのでしょう。
楽天はKDDIのおかげでサービス開始当初から、全国で利用できるサービスを展開できるようになりました。しかし本当に楽天にとっては、最良な手段だったといえるのでしょうか。
サービス当初から契約した人は、KDDIの通信網を使って通信をしているため非常に快適に携帯電話サービスを利用することになります。そして徐々に設備を切り替えて楽天が自前の設備を利用し始めたとき、今までつながっていたエリアで利用できなくなったり、サービス品質が低下した場合、利用者は別の携帯電話会社へ乗り換えてしまうのではないでしょうか。
その行き先は、今まで使ってきてエリアも通信品質も十分わかっているKDDIにMNPするのではないでしょうか。そうなったとき楽天は、イー・モバイルがソフトバンクに吸収されたのと同じ道を歩んでしまうのではないかと不安を覚えます。
またKDDIの都合でローミング費用が向上することだってありえます。そうなったときに楽天を契約しているユーザが、そのまま楽天を使い続けるとは限りません。MVNOであれば通信品質が悪くても「月額料金がこの程度であれば」と思えるのですが、MNOとしてサービスを開始したときの月額料金と通信品質のバランスが崩れてしまった場合、取り返しのつかない状況に追い込まれる危険性があるでしょう。
そういったことを考えると楽天は、設備投資を増額し早い段階で独り立ちできるようにするべきではないでしょうか。KDDIもdocomoと同じ通信事業者であり、楽天はライバルであることには変わりがありません。
KDDIのとった態度が功を奏するか、または楽天を切ったdocomoが勝ち誇るのか。2019年10月、楽天がサービスを開始してどうなるかを見て判断しましょう。
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