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菅官房長官「携帯料金4割値下げ」発言と総務省の立場とは

[2018/09/07]

スマホ・携帯買取のバイヤーズ.com梅田店です。

8月21日、札幌市での講演の中で菅官房長官は「携帯電話事業者は公共の電波を利用しているので、過度な利益を出すべきではない」との前置きした上で、「現在の携帯電話料金は不透明で、他国と比べても高すぎるのではないか。4割程度引下げる余地はある」と発言し、業界に大きな波紋を広げています。

 

とはいえ、管轄省庁である総務省側には「官房長がそうおっしゃるなら下げさせましょう」とすんなり行かない事情がありそうです。

 

大手キャリア4割値下げが意味すること

今回の菅官房長官の発言を待つまでもなく、そもそも、安倍総理自らが家計負担となるスマホ料金の値下げ検討の指示に端を発し、管轄省庁である総務省も前任の高市総務大臣当時から、日本のモバイル通信の現状は、「大手キャリアの寡占状態」にあり、料金は「高止まりしたまま」であり、MVNOの普及等によって「料金水準の引き下げ」を行うべきとの見解で政府も行政も一致していると言えます。

 

それを裏付けるように、2018年第1四半期(4~6月)の決算では、大手キャリア3社は揃って増収増益となった上、KDDIとソフトバンクは純利益ベースで過去最高益を更新する等、その好調ぶりを窺う事ができました。

 

2017年当時、「同等サービスなのに料金が割安」という事で破竹の勢いでユーザー数を増やしていた格安通信会社(MVNO)ですが、この年の中盤を境に、大手の割安なプランの導入や、サブブランド・大手グループMVNOの攻勢などで、MVNOユーザー数の伸びは頭打ちとなりました。

 

今ここで、それ以外の部分はそのままに、大手キャリアの料金が4割値下げになってしまえば、MVNOの死活問題になりかねない重大な問題なだけに、総務省としては、現状のまますんなり受け入れる事はできないはずです。

 

帯域の貸出料金の割高さがネック

MVNO(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)は、文字通り、自前の通信回線を保有せず、大手から借り受ける事で仮想的に通信サービスを提供する事業者ですが、MVNOの通信料金を決定する大きな要因は、帯域(通信回線)の賃料(接続料と言う)と諸経費・利益です。

 

諸経費や利益はMVNO考え方や事情によって各社が調整する事ができますが、高額な接続料についてはMVNO側では調整する事ができません。

ちなみに20018年度末現在の大手3社の接続料は以下の通りです。

 

・ NTTドコモ=55万2,075円/10Mbps (前年度比-18%)

・ au=76万5,638円/10Mbps (前年度比-11%)

・ Softbank=77万3,519円/10Mbps (前年度比-18%)

 

各社とも若干の値下がりはしているものの、まだまだ高止まりと言ってよいレベルです。

 

この接続料の問題や、その他の課題をクリアせずに大手キャリアの通信料金だけを4割値下げすることは、長年かけて総務省が取り組んできたMVNOの拡充方針に反する事から、官房長の言葉だからと、おいそれとは値下げには至らないのではないかと思われます。

 

 

source

https://iphone-mania.jp/news-222836/

https://iphone-mania.jp/news-223791/

https://iphone-mania.jp/news-216572/

 

Photo

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h30/jun/chousei/180628houkokusyo.pdf

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