目次
- はじめに~IIJmioとは
- IIJmioを申込む前に準備しておくべき事
- IIJmioの料金
- IIJmioの通信速度
- IIJmioのメリットとデメリット
- IIJmioのスマートフォン・ラインナップ
- 筆者所感~実際に利用してみた感想は
- IIJmio の各種手数料と解約方法
- IIJmioの利用開始と端末初期設定
- IIJmioまとめ
「IIJmio」は、「アイアイジェイミオ」と読み、IIJ(インターネット・イニシアティブ・ジャパン)が運営する個人向け格安通信サービスを提供するMVNOです(法人向け格安通信サービスは「IIJモバイル」)。
インターネット・イニシアティブは、外資系を除くと日本で最初にインターネット・プロバイダー(ISP)として商用サービスを開始した事業者です。業務内容は多岐に渡り、インターネット接続をはじめ、MVNO=Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)や、システム・インテグレーション、アウトソーシングなど、法人向け事業を主としています。
インターネット・プロバイダーとしてのIIJは、1990年代から国内の主要なインターネットの相互接続を積極的に推進し、KDDI等の電信電話系以外のISP事業者としては国内最大規模のインターネット・バックボーンを即時に構築しています。
アジア太平洋地域の国際バックボーン「A-Bone」構築にも関与し、インターネット接続環境の整備にインフラ面で大きな貢献を果たしてきました。
MVNOに関して言えば、総務省の「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成30年度第3四半期)」によれば、SIMカード型MVNOおいて、楽天モバイル(15.9%)に次ぐ14.3%を占める大手MVNOです。
IIJは、2008年にNTTドコモの回線を使ったMVNOサービスを開始するなど、MVNOとしての歴史は古く、インターネット・プロバイダーとして培ったネット関連の技術力は非常に高く、多くのユーザーの信頼を得ています。
また、IIJは、移動体通信事業者(MNO)とのL2接続による仮想移動体サービスの提供者として、中小のMVNOの事業を補助・協力するMVNEの顔も持っています(※)
DMMmobile等がIIJから回線提供を受け、独自のサービスとして事業を展開していますが、IIJが回線を卸している先は100社以上と、想像以上に多い事に驚きます。
※大手キャリア3社との直接接続するノウハウを持たない中小のMVNOに対し、IIJが間に入り、回線や事業ノウハウ等を提供する業務をMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)と言います。
さらに、2018年3月には「フルMVNO」として法人向けの「IIJモバイルサービス/タイプI」を開始しています。国内のフルMVNO可はIIJが初めて、かつ唯一です。
当初、NTTドコモ回線を使用してMVNOサービスを開始したIIJmioですが、2016年10月にはau(KDDI)回線を使用した「タイプA」のサービスを追加しました。
これによりIIJmioのユーザーは、契約時にNTTドコモ回線あるいはau回線をチョイスできるようになり、各々のキャリアで購入したスマホ端末を、SIMロック解除する事なくそのまま利用できることとなり、利便性が大きく向上しました。
Softbankを含めた大手3キャリアの「接続料(※)」は各社異なりますが、IIJでは、ユーザーに提供する料金に差は設けておらず、ドコモ回線でもau回線でもそれぞれのデータ通信容量ごとに同額料金で利用することができます。
ただし、ラインナップされた端末の中には、au回線では利用できないモデルが含まれますので、その点は端末購入時に充分確認する必要があります。
IIJが2019年2月に開催した「2018年度第3四半期の決算説明会」を見てみると、四半期利益としては過去最高益を記録した同期の業績ながら、そのほとんどは法人向け事業からの収益であり、個人向け格安通信事業である「IIJmio」は前期比でわずか1000回線のぞうか微増に留まりました。
それでも回線数は僅かながらも増加しましたが、個人向け格安通信事業の売上は前期比で微減と苦戦しています。
MM総研の調査結果によれば、SIMカード型のMVNOサービスの回線数シェアでは、トップは楽天モバイルで変わらないものの、UQ mobileが第2位に大幅な躍進を見せたのと対照的に、IIJ、NTTコミュニケーションズ等は順位を落としています。
大手キャリアが総務省の指導の下、最後発のNTTドコモも含めて、いわゆる「分離プラン」の提供を開始、「キャリア料金は思ったより割安」とイメージが定着しつつある中、秀でた特徴があり、しかもそれを派手にアピールできない事業者は苦境に立たされそうです。
そういう意味では、IIJは優れた技術力と、透明性の高いサービス運営など、ユーザーには少々アピールしにくいものの、しっかりしたメリットを持っているのですから、その辺りをどう広めてゆくのかが課題かもしれません。
今回は、そんな地味だけど、本当は品質が良く、良心的なサービスを展開するIIJmioを徹底的に解説致します。
IIJmioと通信契約を結ぶ際に、新規契約でも、MNP転入(いわゆる「乗換え」や「番号移行」)でも、何も準備せずにいきなり申込んだ場合、思い通りに契約が進まないケースもありますので、申込み手順の解説の前に、「申込みの事前準備」について解説致します。
IIJmioと契約する場合、以下のものが必要となりますので、事前準備が必要です。
これらの書類や手続きが事前に所定のルール通りに準備されていない場合、契約手続きに時間がかかったり、契約そのものが無効になってしまう等の弊害が起きる可能性がある上、MNPでの乗換えの場合には、「有効期限」や「更新月」を過ぎてしまって乗換えられないというケースも起こり得ますので、注意が必要です。
運転免許証やパスポートなどの本人を確認する事ができる書類の提出を求められますが、記載されている「氏名」「住所」が現在と異なる場合には、「本人確認ができない」と判断されます。
婚姻や養子縁組などで指名が変わった場合や、転居等で現住所が記載内容と異なる場合には、書類の記載内容を予め修正して、現在の状態と一致させておく必要があります。
それぞれの本人確認書類によって、記載内容の変更・修正の方法や期間は異なりますので、もし、書類と現在の状況が異なる場合は、早めに手続きを開始して、IIJmioとの契約時点では「現状が正しく記載されている」状態にしておかなければなりません。
■申込み時の住所の記載について
上記で言う「現状と一致していること」と言うのは、住所の場合、必ずしも「正しいかどうか」は別問題です。
例えば、実際の住所を厳密に正しく表記すると「1丁目6番2号××マンション105号室」でも、本人確認書類として提出する免許証等の記載が「1-6-2-105」と省略した形で記載されている場合は、申込み住所にも「1-6-2-105」と記載しなければならず、厳密に正しい住所では「本人確認不可」となってしまいます。
通信契約時に届け出る住所と、それを証明する書類の記載との関係は、厳密に正しい住所であるかどうかは問われません。実際にSIMや郵便物が届き、本人確認書類の記載と一致するかどうか…が問題です。
IIJmioの契約時、支払方法にはクレジットカードが求められます。
料金や代金の支払いに利用できるクレジットカードは、「本人名義」であること、「有効期限内」であることが必要で、家族名義のカードや有効期限を過ぎたカードでは契約できません。
■料金の支払いを家族が負担する場合のクレジットカード
奥さんの通信料を世帯主が支払う等で、料金の支払い者が回線契約者本人ではない場合には、家族名義のクレジットカードはNGだとすると、どうやって家族が料金支払いをすればいいのでしょう。
それは「家族カード」を事前に発行しておく事で解決できます。
料金支払者の名義のクレジットカードで、回線契約者名義の「家族カード」を発行すれば、そのカードを使ってIIJmioを「本人名義のクレジットカード」で契約でき、料金支払いは元のカード名義人になります。
また余談ですが、セゾンカードでは、カードの支払者を家族にする事が可能ですので、回線契約者のセゾンカードの支払者を世帯主にすれば、契約者本人のカードで、支払者を家族にする事が可能です。ただし、他の用途に使用した分も全て、支払者に請求されます。
IIJmioと契約する場合、契約成立の時点ではまだ通信はできませんので、IIJmioからの連絡のメールや、iPhoneのプロファイルをダウンロードするためのWiFi通信が必要です。
■IIJmio契約後も利用できるメールアドレスを準備
MNP転入の場合、IIJmioの回線に切り替わるまでは「キャリアメール」が使用できますが、切替わった直後にメールアドレスが存在しない状況になってしまうため、事前に乗換え後も継続して利用できるメールアドレスを準備しておく事をお勧めします。
IIJmioと契約後でもメールアドレスを取得する事は可能ですので「必須」ではありません。
■iPhone利用者はWiFi環境の準備が必要
iPhoneの場合は「プロファイル」をダウンロード~インストールして初期設定を行うためWiFi環境が必要になります。
新旧のモバイル通信で…、と思われるかもしれませんが、iPhoneは通信プロファイルを2つ以上インストールする事ができませんので、WiFi環境があった方が初期設定をしやすくなります。
WiFiといっても、コンビニやカフェ等の公衆WiFiでも構いません(ただし遅い)し、別のスマホのモバイル通信のテザリングでも構いません。2台持ちや、友人の通信を借りられる場合には、モバイル通信で問題なくダウンロード可能です。
IIJmioとの契約が「新規契約」であれば必要ありませんが、以前から使用している電話番号をそのままに通信会社を乗換える(MNP)場合は、前の通信会社が発行する「MNP予約番号」が必要です。
「MNP予約番号」には。発効から15日間の「有効期限」がある上、乗換え先の通信会社の多くは、有効期限に1週間~10日間ほどの「期限残」を求めるのが一般的です。
15日の有効期限の間にMNP手続きを完了し、新しいSIM+端末が手元に届き通信を開始する必要があります。
その上、契約する通信会社が1週間~10日間の有効期限残を求めますので、MNP予約番号を発行してから4~7日のうちには、新たな通信会社への申込み手続きを開始する必要があります。
取得からわずか4~7日しか猶予のない「MNP予約番号」の有効期限の中で、例えば、本人確認書類の不備があったり、本人名義・有効期限内のクレジットカードがない等という事態が発生すれば、確実に有効期限内にMNPを完了する事はできないため、上記の事前準備が非常に重要になのです。
■有効期限内に新たな通信会社と契約完了できない場合どうなる?
MNPは新たな通信会社の通信が開始された時点で成立するので、旧通信会社との契約がそのまま継続しますので、通信契約が消滅してしまう事はありません。
ただし、更新月の終了が迫っているタイミングでの手続きの場合で、新たな通信会社への乗換えが不成立の場合には、再度「MNP予約番号」の取得からやり直す事ができますが、その間に更新月が終了してしまうと、新たな「2年契約」が開始になってしまう…というリスクもあり得ない話しではありません。
■iPhone利用者はWiFi環境の準備が必要
iPhoneの場合は「プロファイル」をダウンロード~インストールして初期設定を行うためWiFi環境が必要になります。
新旧のモバイル通信で…、と思われるかもしれませんが、iPhoneは通信プロファイルを2つ以上インストールする事ができませんので、WiFi環境があった方が初期設定をしやすくなります。
WiFiといっても、コンビニやカフェ等の公衆WiFiでも構いません(ただし遅い)し、別のスマホのモバイル通信のテザリングでも構いません。2台持ちや、友人の通信を借りられる場合には、モバイル通信で問題なくダウンロード可能です。
IIJmioに限らず、通信会社を乗換える際には、「MNP予約番号」の有効期限と、乗換えに必要な手続き、書類の準備などがスムーズに進む必要があり、そのためには、事前準備を整えておく必要があるわけです。
実際に、MNP予約番号の期限が切れてしまって手続きをやり直したら「更新月」が終わってしまい、MNPが成立したのは、新たな2年契約が開始された後になった結果、9,500円の解約金を支払うハメになった…という事例があります。
契約手続き、乗換え手続きを開始してから、アタフタしないために、上記4点の事前準備を早めに確認するようにしてください。
IIJmioの申込みには、「mio会員」である事が必要で、mioIDを持っていない場合には、通信契約申込の前にmioIDを取得しなければなりません。
mioIDは、1人1IDのみ取得可能で、1IDで複数の通信契約を行う事は可能ですが、1人で複数のIDを取得して、別々の支払いに分ける等はできません。
申込の最初は「端末購入の有無」です。
回線とセットで端末を購入する場合には、「端末を同時購入」を選び、キーワードから希望機種を検索し「機種名」「ボディカラー」等を指定します。端末購入をしない場合には、「SIMのみ購入」を選びます。
※au回線ではSMS機能のない「データSIM」は選べません。
ちなみに、「データ専用SIM」はSMSを受信できないため、WEBサービスの会員登録等ができない場合がありますので、WEB上の各種サービスを利用する予定がある場合には「SMS機能付きSIM」がお勧めです。
SIMや端末の配達希望日を指定できます。
IIJmioで提供中のオプションサービスを選択する事ができます。スマホを安全・安心に使う事ができるサービスや、いざという時のための保険的なサービス、電話サービスや、エンタメ系まで好きなオプションを選んで契約する事ができます。
ただし、全て有料オプションですので、オプション選択があまりに多すぎると、月度の支払額の負担がおもくなりますので、よく注意する事が必要ですが、オプションは月ごとに利用する・しないを変更できます(一部不可の場合あり)。
氏名・住所・電話番号・メールアドレス等の個人情報を登録し、発行された認証コードによって申込者と端末の認証を行います。
氏名・住所などは、本人確認書類に記載の通りに正しく登録します。
ここで登録する住所は、単にSIMや端末を配送するためだけのものではありません。正式な契約ですので、虚偽の内容を記載した場合、契約できないばかりでなく、場合によっては罪に問われる場合があります。
支払方法としてクレジットカード情報を登録します。
クレジットカードは有効期限内のもので、本人名義の場合のみ利用することができます。
(家族名義での支払いについては「事前準備」の項を参照してください)。
申込んだ通信回線の利用者が、契約者本人なのか、契約者以外なのかを申告します。
契約者本人以外とは、子供等のように本人名義で契約できない場合に、家族が変わって契約する事ができます。
ここまでで、申し込んだ内容の確認と、その申込み内容によって発生する料金の確認を行います。
申込内容の最終確認を行います。オプションサービスを多く申し込んだ場合には、ここで月額コストがわかりますので、調整する事ができます。
申込内容が意図と異なる場合は、この段階で修正・変更を行います。ここで了承すると、その内容での申し込みが確定し、少なくとも1か月間はその内容での請求が行われます。
「この内容で申し込む」をタップすると、申込内容が確定し、「mioID」と契約内容が表示されます。
WEBからの申込みが完了すると、「お申し込み承りのお知らせ」と「mioID登録完了」のメールを受信します。
mioIDは、ユーザー専用ページなどへのログイン時にも必要ですので、忘れないようメモしてください。
以上で、IIJmioへの契約申込は完了となります。
前述の通り、IIJmioはマルチ・キャリアで、ドコモ回線・au回線をユーザーの希望や都合で選ぶ事が可能ですが、プラン構成やプラン料金はシンプルで、回線が違っても共通なので利用する際に迷うことがありません。
以上の基本体系に、「大容量データ」や「かけ放題」等のオプションを加えて自分なりのプランを構成します。
以上の基本体系に、「大容量データ」や「かけ放題」等のオプションを加えて自分なりのプランを構成します。
IIJmioでは、音声通話機能付きプラン(SIM)を「みおふぉん」と称します。
通信サービスでは珍しい「語感」の名称が付けられている「みおふぉん」や、サービス名であるIIJmioにも付けられている「mio」とは、イタリア語で「私の」「私のもの」という言葉から由来していると、IIJの公式WEBに記載があります。
「IIJmioとは」:サービス案内 - IIJmioとは?
IIJが個人向けの格安通信サービスを開始当時、接続・メール・Webなどの機能が全て一緒になったサービスが主流だった中、『多様化する個人ユーザーのニーズに応え、「必要な機能を自由に組み合わせて自分流のインターネット環境を構築できる」という、全く新しい発想のもとに誕生したブランド』だと紹介されています。
IIJが、「IIJmio」や「みおふぉん」といった自社のブランドやサービスに愛着や信念をもっているような印象を受けます。
IIJmioの料金プランはシンプルです。
月間のデータ容量「3GB」「6GB」「12GB」に3通りに、「音声通話機能付きSIM」「SMS機能付きSIM」「データ通信」の3タイプのSIMが用意され、ユーザーの好みによってチョイスすることができます。
なお、au回線プランにはSMS機能のない「データ通信専用SIM」の設定はありません。
ちなみに、au回線のデータSIMはSMS機能が標準搭載となっていますが、他社では、ドコモ回線のSMS付SIMと同額の設定にしているケースが多いのですが、IIJでは、ドコモ回線のSMS機能のないSIMと同額のせってとしており、IIJの良心的な面が表れています。
料金的には、データ通信SIMで3GB=900円、6GB=1,520円はごく標準的な金額です(IIJが標準的な器楽に合わせたというより、他社がIIJの料金を参考に値付けしていると考えられます)。
音声通話機能は、各容量のデータSIMに+700円で、これも業界スタンダードになっています。
実は、IIJは料金に関連したキャンペーンを非常によく実施する通信会社です。
上記の事例でも、2019年7月末までの期間限定で、全てのSIMタイプで「データ容量アップ」、音声通話機能付きSIMでは「料金のディスカウント」が実施されています。
もし契約のタイミングが合うようなら、その時点でどのようなキャンペーンが実施されているか、確認してみると、もしかするとお得に契約できるかもしれません。
IIJmioでは、シンプルな料金プランに組み合わせられるオプションサービスが多彩です。
さすがに老舗MVNOだけあって、IIJmioのサービスは業界標準となっているケースが少なくなく、その内容も良心的な設計となっています。
「みおふぉんダイアル」は、他社で言うところの「通話料金半額サービス(アプリ)」「プレフィックス電話」等と呼ばれるもので、「みおふぉんダイアル」アプリ経由での通話発信の場合、通常20円/30秒の通話料金が、半額の10円/30秒になるサービスです。
多くの格安通信サービスで同様のサービスが提供されていますが、IIJmioでも、初期費用も月額基本料も不要で、実際に利用した半額通話料金のみが請求されます。
※プレフィックス電話
「プレフィックス電話」とは、「プレ=前に」「フィックス=付加する」で、相手先電話番号の先頭に特定の番号(特番)を付加して発信する事で、割安料金の回線を中継して通話できるため、料金が半額となります。 割安な回線を中継するため「中継電話」とも言われる場合がありますが、MVNO各社で個別に同様のサービスを提供しています。
「プレフィックス電話」は、データ通信で通話する「IP電話」と異なり、割安な3G通話回線を中継するだけなので通信品質が悪化する事がありませんし、初期費用も月額基本料もかからないので、通話をする方は是非利用すべきサービスと言えます(通話機能のないSIMでは利用できません)。
IIJmioでは、2種類の「かけ放題」オプションを用意しています。
各々の「かけ放題」の所定の無料通話時間経過後は、「みおふぉんダイアル」の料金が適用され、10円/30秒の料金となります。
Instagramのような画像メインのサービスや、YOUTUBEやAbemaTV等、動画コンテンツが増加し、格安通信サービスでも大容量プランを望むユーザーが増加しているため、IIJは、大容量のプランを新設するのではなく、20GB・30GBの大容量のデータオプションを用意しました。
通常のプランと組み合わせて使うので、ミニマムプラン+データオプション20GBの場合には、総容量は23GBで料金は、プラン料金+データオプション料金となります(ずれはキャンペーンの1GBもプラスされています)。
データオプションの「20GB」と「30GB」は1契約で各1つずつ契約できます。20GB+30GBで50GBとして利用する事が可能です(20GB+20GB、30GB+30GHBは不可)。
また、別途購入した20GB/30GBのデータ容量は、家族でシェアして利用することも可能です。
データオプションは、単月で不足分のデータ容量を追加購入するサービスではなく、毎月、一定のデータ容量を料金プランで付与されるデータ量に上乗せされるサービスで、最低利用期間があります(利用開始の翌月末)。
単月でデータ量を追加する場合には「IIJmioクーポンカード」を利用します。
なお、データオプションで付与されたデータ容量を使い切れなかった場合には、翌月末まで繰越して利用する事ができます。
前述の通り、基本的な料金プランは「回線2タイプ」「SIM3種類」「容量3プラン」の組合せですが、これとは別の特殊な設定のプランがいくつか存在しますので、まとめて紹介します。
データ容量12GBを、家族最大10人(SIM10枚)までシェアできるお得な家族向けプランです。
通常プラン同様、「データ通信専用SIM」「音声通話機能付きSIM」ではドコモ回線、「SMS機能付きSIM」「音声通話機能付きSIM」ではドコモ回線・au回線を選択可能です。
各々の料金は「データ通信専用SIM」が月額2,560円、「SMS機能付きSIM」が月額2,700円、「音声通話機能付きSIM」が月額3,260円となっています。
SIM4枚以上で利用する場合には、400円/SIM1枚ごとに料金が加算されますが、SIM3枚までの利用であれば、通常の料金のままで利用可能です。
契約後にSIMカードを追加する場合には、SIM1枚につき2,000円の「SIMカード追加手数料」がかかります。 (新規契約時にSIMを追加した場合は「SIMカード追加手数料」はかかりません)。
コミコミセットは、「スマホ端末(680円or1,280円)」+「音声通話機能付きSIM(1,600円)」+「3分かけ放題(600円)」がセットになったパッケージプランで、Y! mobileやUQ mobileの2年契約プランに対抗して新設されたプランです(端末代金によって2種類の料金体系となります)。
Y! mobile・UQ mobileへの対抗から生まれたため、スマホ端末の24回払いがセットされたプランとなっていますが、Y! mobile・UQ mobileと異なるのは、「2年縛り」がない事です。
コミコミセットは、「スマホ」+「音声通話付きプラン3GB(ミニマム)」+「誰とでも3分かけ放題」を組合わせたプランですので、解約やMNP転出に制約を受けるのは「最低利用期間」の1年のみです。
それでも、コミコミセットとして契約すれば、利用開始翌月から12か月間、毎月の料金が1,000円ずつ割引になるのは大きなメリットです。
セットできる端末は、IIJmioが取り扱う端末全てではないので注意が必要です。
ただ、通信料金が安ければ良いのか…という問題があります。
正直、IIJmioは人気MVNOのため、通信速度はお世辞にも速い・快適とは言い難いものがあります。
技術力の高い事業者ですし、「初速バースト機能(※)」を付けるなど良心的なサービスを提供していますが、それでもやはり通信速度が遅い事によりデメリットは生じてしまう場面が少なくありません。
※初速バースト:通信の頭の部分だけ高速通信する事で低速通信でも快適に利用できるようにする仕組み
それに比べると、サブブランドであるY! mobileはキャリアそのものの通信品質ですし、KDDIのグループ会社であるUQ mobileもキャリアに匹敵する超高速通信速度+高品質の通信を利用できます。
通信速度や品質において、現時点でY! mobile・UQ mobileを凌駕できるMVNOは存在しません。
また、Y! mobileやUQ mobileは若干料金が割高に見えますが、セットされる「かけ放題」はY! mobileは「10分かけ放題」、UQ mobileは「5分かけ放題」ですし、料金改定を受け、Mプラン・Lプランのデータ容量が9GB・21GBに大幅に増強されています。
さらにiPhoneのラインナップがあったり、端末購入時の購入支援(割引)等も大きなメリットの1つです。
それらの点で、月額100円の差額が果たして「安いから」とチョイスの決め手になるのかどうか少々疑問ではあります。
エコプランは、端末+au通信回線SIMのセットでしか契約できないプランで、最大の特徴は「(逆)従量課金制」のような特殊な課金制度にあります。
従量課金制は、1か月かに利用したデータ容量に応じて課金される仕組みですが、「エコプラン」は、使わなかったデータ容量分の料金を、0.5GB=100円ずつ、基本料金から減額される仕組みです。
例えば、「エコプランミニマム」の契約で、最大3GBを使い切った場合の料金は、データSIMの場合で900円ですが、2GBしか使わなかった月には、余った容量1GB÷0.5GB×100円=200円が減額され、請求は600円となります。
音声通話SIM+端末でエコプランを契約の場合には、料金はデータSIMの料金に一律+700円となり、2種類の「かけ放題」オプションを選択する事も可能です。ただし、音声通話SIMでの契約の場合、利用開始から12か月間は最低利用期間が設定され、期間内の解約・MNP転出には「別途音声付帯解除料」がかかります。
IIJmioでは、携帯=ガラケー向けの料金プランを用意しています。
しかもこのプランはずっと昔からあるプランと言う事ではなく、2019年2月になってから新たに導入されたプランです。
サービス内容は、4GLTEを使った高速データ通信はなく、音声通話とSMSに特化したサービス内容で、まさにガラケー向けのサービス内容となっています。
通常、IIJも含めた格安通信サービスの料金プランは、スマートフォンでの利用を前提としているため、必ず何某かのデータ通信容量が付属していますが、IIJ「ケータイプラン」は、データ通信容量を省く事で、割安な料金でガラケーを「通話専用+時々SMS」専用機として利用するプランです。
これは他の多くのMVNOも同じですが、支払方法にクレジットカード以外を選べません。
大手キャリアや、サブブランドや大手MVNOの一部では口座振替を選ぶ事ができますが、日本通信は未だクレジットカード以外の対応はありません。
ただ注意すべきは、高速通信だけでなく「データ通信」そのものが付属しないため、低速であってもデータ通信はできません。
つまり、WEB閲覧や動画視聴は勿論の事、メールやLINEトークも利用できませので、注意が必要です。
■ クーポンについて
IIJmioを利用すると、よく「クーポン」というワードを目にする事があります。
IIJmioで言う「クーポン」とは、いわゆる「割引クーポン」という事ではなく、高速データ通信の容量を指す言葉です。
例えば、月間のデータ容量を使い切った場合、IIJmioでは「クーポンを使い切った」という表現を使います。また、高速データ通信のON・OFFもクーポンを適用・不適用という言い方をする場合があります。
■安心 | ||
---|---|---|
みまもりパック | 500円/月 | 子どものスマホの安全を考えたお得なパック |
迷惑防止パック | 500円/月 | ウイルス対策、迷惑電話対策に。 |
■WiFi接続 | ||
IIJmio WiFi by エコネクト | 362円/月 | 日本全国75,000か所の公衆WiFiサービス |
■サポート関連 | ||
端末補償オプション | 380円/月 | IIJmioサプライで購入の端末の故障・破損・水没等 |
つながる端末保証 | 500円/月 | 他社購入端末の故障・破損・水没等に対応 |
スマホの操作サポート | 500円/月 | 初歩から活用までオペレーターがサポート |
■セキュリティ | ||
ウィルスバスターモバイル | 250円/月 | ウィルスバスターモバイルの月額版 |
マカフィーモバイルセキュリティ | 250円/月 | マカフィーの総合セキュリティ、ウィルス対策 |
iフィルターforマルチデバイス | 360円/月 | 子どもに良くないWEBやアプリをブロック |
■電話オプション | ||
スマート留守電 | 290円/月 | LINEで留守電が着信。読める・聞ける留守電 |
トビラフォンモバイル | 300円/月 | 迷惑電話を自動で着信拒否。 |
クラウドバックアップAOS | 500円/月 | 容量無制限でバックアップデータを保管 |
Smart Checker | 350円/月 | アプリ上の個人情報を守る |
■エンタメ | ||
タブホ | 500円/月 | スマホやタブレット、パソコンから読み放題 |
SMART USEN | 490円/月 | 有線放送のUSENが贈る音楽番組 |
ローチケHMVプレミアム | 500円/月 | チケット・映画視聴・漫画が楽しめるエンタメアプリ |
IIJmioに限らず、現在、サブブランド及び大手グループMVNOに対抗できる通信品質・通信速度を提供できるMVNOはありません。安定した通信品質と通信速度を最優先に検討するなら、選択肢の最上位にはY! mobileとUQ mobileを持ってくるべきです。
MVNOの通信速度の出方には特徴があり、その特徴を把握して上手く利用する事ができれば、サブブランド・キャリアグループMVNOでなくても、充分実用性のあるデータ通信を利用する事ができると言えます。
こちらは、6月9日~6月20日の期間、朝夕・昼・夜間の通信が混雑によって速度低下を起こしやすい時間帯に通信速度計測を行った際の速度データです。
計18回の計測機会のうち、10Mbpsを超えたのは僅かに3回で、1回は50.2Mbps(午前10時51分)、2回目は31.9Mbps(午後15時15分)、3回目は18.6Mbps(午後21時17分)です。
午前10~11時台、午後14~16時台、午後21時以降はいずれも通信速度が出やすい時間帯です。
それ以外の計測は、1回を除いて全て3Mbps未満です。
やはり1日の中で最も通信が集中し、速度が低下しやすい昼12時台が最も速度が悪化しており、実用速度の下限目安とされる「1Mbps」(※)を大きく割り込んでいます。
さらに、昼12時台以外にも1Mbpsを割込むケースが見られました。
逆に、夕方の通勤通学時間帯は、2~3Mbpsと比較的速度が出ていました。
通信速度は、1Mbpsを割るのと、2~3Mbps出ているのでは雲泥の差がありますので、IIJmioの通信は夕方~夜間には使い勝手が比較的良いかもしれません。
ただ、昼12時台は軽めのWEBやSNSでも開くのはしんどい事があるかもしれません。
サブブランドやキャリアグループMVNO以外では、みな似たような時間に速度低下を起こしますが、それでも、昼時でも辛うじて1Mbpsを確保している格安通信サービスもありますので、「どこでも同じ」と判断しない方が良いかもしれません。
※ 実用的な通信速度の下限目安「1Mbps」
通信速度は、一般に「1Mbps」が実用的な通信速度の下限目安とされています。
ただ、1Mbpsを割り込んだからと言って、必ずしも全てのデータ通信が実用性を失ってしまうわけではなく、メール送受信や、SNSのトーク、音楽ストリーミング等は、1Mbpsを割込んでも特に影響を受けずに快適に利用できます。
しかし、一方では、動画・映画、大ファイルの画像の多いWENサイト等の閲覧は1Mbpsを若干超えていても苦しいものがあります。 ただ、通信の混雑時に「1Mbps」が出せるSIMであれば、基本的にはまずまず快適に利用できるだろう…という1つの目安と考えるべきです。
ちなみに1Mbpsとは、1メガビーピーエス=1メガバイトパーセコンドで、1秒間に伝送可能なデータ量を指します。
通信事業者としてIIJmioをチョイスした際のメリットとデメリットについて以下に解説致します。
筆者が考えるIIJmioの大きなメリットの1つが、「高い技術力に裏付けされた信頼感」と「透明性の高い情報公開」です。
かなり前の事になりますが、IIJの技術力の高さや情報公開にちなんだエピソードをご紹介します。
実は、「au回線を使ったMVNOはiPhoneで利用できない」という今では信じられないような現実がありました。au回線MVNOサービスをメインで提供していた「mineo」も、同じKDDIグループの「UQ mobile」でさえ、iPhoneでau回線の通信を提供できずにいました。
当時のIIJは、まだau回線サービスの提供を開始していませんでしたが、IIJの技術者がiPhoneでau回線の通信を確立する方法を発見し、それを無償で公にした事がありました。
同じKDDIグループのUQ mobileが提供できていないと言う事は、回線を貸し出す側のauでもその方法を見つけていなかった事になる訳ですが、IIJだけがその事を発見し、それだけでなく情報を公開した事で、現在のようにau回線でごく普通にiPhoneを利用できるようになりました。
その一事だけを見ても、IIJの技術力の高さと、情報公開に対する透明性を計る事ができ、筆者のIIJに対する印象やイメージの根底にあって、IIJを好意的に捉える根拠となっています。
現在でも、IIJの技術力の高さは健在で、例えば、新型のスマートフォン(iPhone含む)が発売された際の動作検証や、OS等のアップデートへの対応の早さはMVNO随一と評判です。
「でくろぐ」は誰でも自由に閲覧できるIIJのエンジニアによる公式ブログで、IIJの「シニアエンジニア」の堂前氏が執筆しており、技術的な事を織り交ぜた様々な分野の記事が人気です。
また、年に数回開催される「IIJmio Meeting」は、スマホ・モバイル・MVNOに興味がある方向けのトークイベントで、毎回かなりの人気で盛況となっています。
いまでこそ珍しくもありませんが、少し前までは1社で異なる複数の通信回線でサービスを提供しているのはほんの数社しかありませんでした。
IIJmioはその技術力の高さを生かして、iPhoneでau回線を利用する方法を発見し、その後、自らau回線サービスの提供を開始し、既存のNTTドコモ回線と合わせて2タイプの通信回線サービスを提供するマルチ・キャリアとなりました。
ただし、IIJmioの場合、音声SIMどうしの通信回線の変更は不可となっています。
通話SIM→データSIM・SMS付データSIMや、データSIM→SMS付デーやSIM・通話SIM等の切換え・変更は可能で、通信回線を跨いで「ドコモ⇔au」間での変更も可能です。
マルチ・キャリアである事の最大のメリットは、キャリアで購入したスマートフォンを、原則「SIMロック解除」不要で利用できる事です。
IIJmioは、ドコモ回線とau回線の通信サービスを提供していますので、NTTドコモとauで購入したスマホ端末(iPhone含む)をSIMロック解除しなくても、そのまま利用する事ができる訳です。
特にiPhoneは、毎年iOSが更新され、最新の機能やセキュリティを旧モデルにも反映できる事から、スマホとしてのモデル寿命が長い端末で、3~5年同じ端末を使い続けるユーザーが多いのが特徴ですが、3~5年の使用期間に、格安SIMへの乗換えを検討するケースも多く、受け入れ側のMVNOのマルチ・キャリア化はユーザーの「乗り換えやすさ」に一役買っています。
端末 | ドコモ版 | au版 | SB版 | ドコモ版 | au版 | SB版 |
---|---|---|---|---|---|---|
iPhone 5s | 〇 | × | × | × | 〇 | × |
iPhone6/6Plus | 〇 | × | × | × | 〇 | × |
iPhone6s/6sPlus | 〇 | △ | △ | △ | △ | △ |
iPhoneSE | 〇 | △ | △ | △ | △ | △ |
iPhone7/7Plus | 〇 | △ | △ | △ | △ | △ |
iPhone8/8Plus | 〇 | △ | △ | △ | 〇 | △ |
iPhone X | 〇 | △ | △ | △ | 〇 | △ |
iPhone XS | 〇 | △ | △ | △ | 〇 | △ |
iPhone XS MAX | 〇 | △ | △ | △ | 〇 | △ |
iPhone XR | 〇 | △ | △ | △ | 〇 | △ |
〇:SIMロック解除不要で利用可、△:SIMロック解除で利用可、×:SIMロック解除・利用不可 |
こちらは、歴代iPhoneとIIJmioの回線サービスのマッチング表です。
「〇」はSIMロック解除不要で利用可能なモデル、「△」はSIMロック解除すれば利用可能なモデル、「×」はSIMロック解除対象外のモデルです。
こちらで分かるように、提供している回線の種類が多ければ、それだけSIMロック解除せずに利用できる端末の間口が広がり、乗換えユーザーは「SIMロック解除」という面倒でコストアップ(ショップ手続きの場合)を避ける事ができるため、MVNO各社が続々とマルチ・キャリア化するというわけです。
ちょっと余談ですが、SIMロック解除は、「自分で」「無料で」行う事ができます。
各キャリアの看板を掲げたショップに持ち込んで「SIMロック解除」を依頼すると、3,000円(税別)の手数料が請求されますが、キャリアの公式ページや、ユーザー「マイページ」等から、自分で行えば手数料がかからず無料で手続き可能です。
手続きと言っても、IMEI番号の入力程度の誰でも簡単にできる作業です。
また、総務省は中古スマホのSIMロック解除にも応じるようキャリア3社に義務付けており、実施期限の今秋までにはau・Softbankも購入者本人以外でもSIMロック解除が可能になる見込みですが、NTTドコモに関してはすでに中古スマホのSIMロック解除に対応済みですので、オークション・フリマ等で入手した中古スマホでもSIMフリー化して利用する事が可能になっています。
ドコモショップでの手続きの場合は3,000円(税別)の手数料がかかりますが、「My Docomo」から自分で手続きすれば無料でロック解除が可能で(「My Docomo」の利用には、ドコモIDが必要ですが、ドコモ契約者でなくてもIDを無料で取得する事が可能です)。
先の「端末ラインナップ」の項でも述べたように、多くのAndroidスマホやタブレット等を豊富なラインナップの中から購入する事ができます。
MVNOのデメリットの1つによく挙げられるのが、「購入したいスマホがない」「端末の選択肢が少なすぎて面白くない」等の、販売端末数への不満です。
しかしIIJであれば、スマホ・タブレット・ルーターなど常時20機種程度の端末を取扱っており、ボディカラーの選択肢まで入れれば、50種類の選択肢から好きな端末を選ぶことが可能です。
IIJmioは、端末販売において値引きキャンペーンをよく実施することでも有名です。
「古い端末を安売りで在庫整理」という事ではなく、回線契約獲得のために人気機種や話題のモデルなどを値引き販売する事がありますので要注目です。
本稿執筆時点でも、音声通話SIMとのセット購入で、話題のモデルが割安に購入できる「スマホ大幅割引キャンペーン」が実施されていました。
気にせずスマホを使っていると、特に高速通信が必要のない場面~例えばメール受信やSNSの受信通知、音楽のストリーミング再生も高速でなくても充分聴く事が可能ですが、そんな場面でも常に有料の「高速通信」を使ってしまいます。
この状態を言ってみれば、高速通信の垂れ流し状態になっている訳で、もっと突き詰めて言えば、無駄にお金を使っているとも言えない事もありません。
そんな際に、IIJmioであれば高速通信を低速に切替える(クーポンの適用停止)事で、データ通信に料金がかからない「低速モード」にする事ができ、低速モードでの通信には課金されません(つまり無料で使える)。
高速通信が不要な場面では「低速」に切り替えて、WEB閲覧など高速通信の方が快適な場面では「高速」で利用することで、月間のデータ量(=料金)を垂れ流さず効率よく利用する事ができます。
低速通信での利用には、いわゆる「3日間制限」が設けられており、3日間で366MBを利用すると、その翌日の通信速度が制限(低速よりもっと遅い速度)に制限されてしまいますので、無料で利用できるからと言って、使いすぎないよう注意が必要です。
こちらは、前述の通信速度の項で使用したデータで、IIJmioのドコモ回線データSIMの通信速度を、速度低下しやすい時間帯を狙って計測したものですが、全体としても決して「速いSIM」とは言えませんが、特に、通信が集中(※)する、いわゆるピーク時間帯の速度低下は深刻なものがあります。
※ピーク時間帯 ピーク時間帯とは、1日に何回かある「通信が集中する時間帯」の事で、通信はその性格上、一定以上の通信が集中する「輻輳」状態になると、通信の速度=転送量が低下してしまいます。
朝夕の通勤通学時間帯、昼休み、夜間のゴールデンタイムなどに通信が集中しますが、特に昼12時台は学校や企業などの昼休みが集中し、多くの人がスマートフォンを利用するため、最大のピークとなります。
IIJmioの場合、多くの計測機会で「1Mbps」を割込む事が多いことがわかります。
こちらは、IIJmioのSIMの速度計測の経過の動画ですが、通信の冒頭部分だけ速度が速く、すぐに低下するのがわかると思います。
これは「初速バースト」と呼ばれる機能で、通信の冒頭部分の短時間だけ高速通信を行って伝送量を稼ごうという仕組みで、軽めのWEBやSNS程度であれば、あまりストレスは感じないと言われます。
しかし、昨今はグラフィカルなWEBが多く、また利用シーンも動画や映画など、継続的に高速通信が必要となる用途が増加しており、「初速バースト」だけではどうしても途中で苦しくならざるを得ません。
定かなデータがある訳ではありませんが、筆者の経験で言えば、人気のMVNOほど通信速度で苦しんでおり、帯域増強(回線をより多く借り受ける事)によって通信速度を改善しても、人気MVNOゆえに、ユーザーの増加に帯域増強が追い付かず、常に、遅めの速度でピーク時には1Mbpsを割る事が当たり前になっているケースが多々あります。
今回の「IIJmio」もそうですし、「楽天モバイル」しかり、「mineo」しかりです。
SoftbankサブブランドのY! mobileはMVNOではないので除外すると、KDDIグループのUQ mobile、BIGLONEモバイル、SoftbankグループのLINEモバイル等、大手キャリアグループのMVNOではグループ内の優遇のためか、比較的速度低下を起こしにくいようですが、IIJやmineoなど、大手キャリアと資本関係のない独立系と言われるMVNOに速度低下の傾向が強く表れているように思います。
例えば、BIGLOBEモバイルの「エンタメフリー」オプションは、月定額で多くのユーザーが利用するエンタメ系コンテンツ利用時の通信が、高速データ容量を消費しない(つまり定額)「カウントフリー」サービスです。
プラン料金に月定額をプラスする事で、所定のエンタメコンテンツを利用し放題になります。
また、LINEモバイルは月額費用なし(つまり無料)で、LINEやFacebook、Twitter、Instagram等のSNS利用時の通信が高速データ容量を消費しない「データフリー」を装備しています。
これらのサービスは一般的に「カウントフリー」と呼ばれ、MVNOのトレンドの1つとなっていますが、残念ながらIIJmioでは提供がありません。
前述の「低速モード」が無料で通信できるという点で、ある意味「カウントフリー」と言えなくもありませんが、3日間制限(3日366MB)があるため、好きなだけ低速通信を使えるわけではなく、カウントフリーとは言い難いルールとなっています。
これは、IIJに限らずどのMVNOでも基本的に同じですが、iPhoneを購入する事ができません。
Appleは、一定の販売量を求めるため、MVNOの規模ではiPhoneを卸して貰えないと聞きますが、本当のところは分かりません。しかし、現実問題、MVNOで継続的にiPhoneをラインナップしているのは、大手キャリアグループのMVNOのみです。
iPhoneを入手したい場合には、Apple Storeで購入するか、店舗やフリマなどで中古端末を購入するしかありません。
大手キャリアでは総務省の強い意向を受け、通信契約と端末購入を分離した「分離プラン」の導入が進んでいますが、さらに総務省は、今秋から「通信契約とセットでの端末の値引き販売を一切行ってはならない」「端末単体販売の場合での値引き額は最大2万円」を義務化しようとしています。
NTTドコモでは、そうした動きを見据えて「スマホおかえしプログラム」なる仕組みを開始しました。
これは、36回分割で購入した端末を2年後に返却する事で、25~36回の12回分の支払いを免除し、実質的な端末の支払い額を割安にする新たな仕組みですが、スマホは自分のものにならず「おかえし」になくては料金は安くはならないのですから、これは「単なるレンタル料」に過ぎません。
それであれば、Apple StoreでiPhoneを購入しても価格的には大差ない上に、購入した端末は自分のものですので、フリマや下取りで再販する事も可能ですし、さらに、MVNOを使えば通信料金が大幅に割安となるため、月間の支払額は、「大手分離プラン+下取り制度」よりも割安となります。
iPhoneのリセールバリュー(再販時の価値)は高いので、1年分を支払わなくてもよいドコモの「おかえし」より、フリマなどで欲しい人に再販した方がお得になる可能性が高いと思われます。
そう考えると、分離プランによってMVNOのデメリットだった「iPhoneをApple Storeで定価で買う」事が、デメリットでなくなるのではないでしょうか。
マルチ・キャリアの中には、mineoのように異なる回線間でのタイプ変更が可能なケースがありますが、IIJでは、ドコモ回線⇔au回線間での音声通話の回線変更はできません。
タイプD | タイプA | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
データ | SMS | 通話 | SMS | 通話 | ||
D | データSIM | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SMS付SIM | 〇 | - | 〇 | 〇 | 〇 | |
通話付SIM | 〇 | 〇 | - | 〇 | × | |
A | SMS付SIM | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 |
通話付SIM | 〇 | 〇 | × | 〇 | - |
つまり、音声通話SIMどうしのタイプ(回線)変更だけが不可で、他の変更は、回線を跨いで全て可能です。
どうしても回線を変更する場合には、一旦解約して再契約するしかありませんが、その場合には電話番号は破棄されてしまい、同じ番号を使い続けることはできません。
番号を継続利用したい場合で、回線を変更する場合には、他社へMNP転出するしかありません。
NTTドコモ回線とau回線を選べるIIJmioで、Softbank回線サービスも選ぶ事ができれば、より利便性が向上するのに…、といった、これはデメリットというよりは希望に近い事柄です。
mineoやLINEモバイル、NUROモバイルなど、次第に増加しつつある「トリプル・キャリア」は、全ての通信回線を1社内で選択できる点で、特にキャリア端末を継続利用したいユーザーには希望が多いところです。
IIJmioでは、自社ユーザー向けに各種スマートフォン、タブレット、WiFiルーター等をラインナップしており、通信回線契約時のセット購入はもちろん、機種変更(端末追加購入=端末のみの購入)も可能です。
支払方法は、24回分割と一括支払いを選択でき、分割支払いの場合、解約時には「残債一括清算」か「分割支払い継続」を選ぶ事ができます。
IIJmioでの端末購入には継続利用を前提とした「購入サポート」等はありませんので、解約しても端末代金の支払い額が増額になることはありません。
端末のラインナップ数は非常に多く、多彩なモデルを取り揃えています。
本稿執筆の2019年6月時点のラインナップ数は、スマートフォン:24機種、フューチャーフォン:1機種、タブレット:2機種、ルーター類:3機種、合計30機種となっており、ボディカラーの違いまで含めると、50種類以上の選択肢があります。
購入可能な端末ラインナップの豊富さは、IIJmioの1つの大きな特徴です。
iPhoneの取扱いがないのは独立系MVNOとしては致し方のないところですが、Android端末購入を検討しているなら、端末を確認すべきMVNO事業者であると言えます。
実際に利用してみて感じるのは、とにかく「生真面目」な会社であると言う事です。
技術力が高い事もあって、ちょっとした事でもまじめに対応する姿勢が随所に感じられます。
朴訥(ぼくとつ)とした技術や集団というイメージでしょうか。
そのイメージが、IIJやIIJmioへの信頼感になり、安心感に繋がっており、こうしたイメージを持つMVNOは他にはないと感じます。
しかし反面、面白みに欠け、あまりに基本や原則に忠実過ぎてカラフルさやポップさを感じないサービスは全体的に地味なイメージです。
派手なら良いわけではありませんが、「分かる人だけ分かれば良い」といった印象もあり、少々、とっつきにくいと感じることがありました。
実際のサービス利用でも、地味でオーソドックスだけど、「ここを使って置けば大きな間違いはない」という印象でした。
しかし、それは「○○はIIJじゃなければ」「IIJのこのサービスだけは他にない」といった「積極的に選ぶ理由」が希薄という事に繋がってしまうのかもしれません。
手堅い信頼のおける通信事業者としては抜群ですが、他に無い独自性という面で(あるのかもしれませんが)印象が弱く、選ぶ際に「つい忘れてしまう」事業者…と感じました。
各種手続きに要する手数料や違約金などの規定があります。
初期費用 | 3,000円 | 契約時手数料 |
---|---|---|
SIM発行手数料(D) | 394円 | |
SIM発行手数料(S) | 406円 | |
基本通話料 | 20円/30秒 | 「みおふぉん」を使用しない場合 |
追加クーポン | 200円/100MB | 高速データ容量追加購入 |
SIMカード手数料 | 2,000円/枚 | SIMカードの追加・再発行・交換・ |
MNP転出手数料 | 3,000円 | |
音声通話機能解除調定金 | 最大12,000円 | 利用開始月の翌月から12か月間×1000円 |
「音声通話機能解除調定金」は非課税、その他は全て税別表示
MVNOの場合は、一部のサブブランド系を除いて「2年契約+自動更新」の料金プラン制は採用していませんので、解約やMNP転出の場合でも「更新月」を気にする必要はありませんが、音声通話機能付きSIMに限っては「最低利用期間:1年間」が設定されています。
「最低利用期間」の期間中の解約・MNP転出には、「早期解約違約金」が課金されますので注意が必要です。
IIJmioの場合は、「音声通話機能解除調定金」という名称で、12か月間を1か月ごとに区切り、利用開始月の翌月を1か月目として、1か月1,000円ずつの「音声通話機能解除調定金」が減算されます。
解約する月(利用開始月が0か月目)
0か月目 | 12,000円 | 4か月目 | 8,000円 | 8か月目 | 4,000円 |
---|---|---|---|---|---|
1か月目 | 11,000円 | 5か月目 | 7,000円 | 9か月目 | 3,000円 |
2か月目 | 10,000円 | 6か月目 | 6,000円 | 10か月目 | 2,000円 |
3か月目 | 9,000円 | 7か月目 | 5,000円 | 11か月目 | 1,000円 |
IIJmioでは、公式アプリ「IIJmioクーポンスイッチ」を無償で配布しています。
「IIJmioクーポンスイッチ」では、契約回線のデータ容量の確認や、クーポンの追加(リチャージ)、高速通信のON・OFF(OFF低速モード)が行えます。
ただし、会員情報の変更や、各種手続き、解約・MNP手続きなどは行うことができませんので、別途「会員専用ページ」にログインする必要があります。
会員専用ページ:▶会員専用ページ|IIJmio
アプリで全ての機能や手続きをカバーするのは難しいのかもしれませんが、アプリ側に、会員ページへのリンクがない事や、逆に会員ページから「アプリを開く」のリンクがなく、連携していないのは不便です。
アプリのアイコンと、ログインページ、2つのアイコンを画面上に置いておかなければならず、この辺りは要改善と感じるところです。
IIJmioのモバイルサービスの解約には独自のルールがあるので注意が必要です。
IIJmioで言う「最低利用期間」とは、他社の音声通話SIMを12か月間拘束するルールではありません。IIJmioで言う「最低利用期間」とは、他社の音声通話SIMを12か月間拘束するルールではありません。
IIJmioでは、利用開始日の翌月末日までを「最低利用期間」を定めており、この期間は、音声通話SIMの場合は上記の「音声通話機能解除調定金」がかかりますが、データSIM・SMS付SIMであっても、利用開始から2か月目の月末までを拘束します。
音声通話SIMの場合は「音声通話機能解除調定金」を支払えば、利用開始当月でも、その翌月でも解約・MNP転出が可能ですが、データSIM及びSMS付SIMの場合には、最低利用期間内の解約ができません。
利用開始月に解約を申し込んだ場合、「解約予約」という形になり、利用月翌月末までデータ通信が使えます(強制的に使える状態が保たれる)。
なお、解約月の請求は、月末までの利用で満額請求となり、「日割り」にはなりません。
総務省は、2019年秋以降、大手キャリアの料金プランに設定されている「早期解約違約金」について、上限を1,000円とする方針を打ち出しており、有識者会議でも承認を得た事から義務化される見込みです。
この「早期解約違約金上限1,000円」は、大手キャリア3社はもちろん、10月から参入する楽天モバイルも対象となるほか、サブブランドや大手キャリアのグループMVNOもその対象となっています。
さらに、MVNOでも回線数シェアが0.7%を超える場合には適用となりますが、2018年度第3四半期統計において「14.3%」を占めるIIJmioは規制の対象となります。
このため、現行のIIJmioの解約に関する規定については、今秋以降、改定される可能性があります。
IIJmioとの契約が成立すると、1~2日のうちにSIMとその他説明書等が届きます。端末をセット購入した場合には端末とSIMがセットで届きます。
IIJmioは、ドコモ回線でもau回線でも、届くのは「マルチSIM」です。
マルチSIMとは、「標準サイズ」「Microサイズ」「nanoサイズ」のSIMが1枚のカードになっていて、必要なサイズに切り出せるタイプのSIMカードです。
iPhoneで利用する場合には、iPhone5以降の4GLTE通信対応機の場合は「nanoサイズ」に統一されています。 Androidスマホは、メーカー・機種等で一定のルールがありませんので利用する機種ごとに確認してください。
(現在のスマホでは「標準サイズ」は利用できる端末がほぼありません)
サイズを間違えて小さく切り出してしまうと、SIM交換で手数料2,000円がかかりますので注意が必要です。
端末のSIMトレーを引き出し、SIMを乗せて本体に戻します。
SIMには表裏と方向があるので間違えないように装着します。
iPhoneの場合は、全ての機種でSIMの挿入方法が統一されていますので、一度でもSIMを挿した事があれば間違えないと思いますが、Androidスマホはメーカー各社が、それぞれにデザインするため、SIMの装着方法も各社各様ですので、端末ごとにSIM装着方法を確認する必要があります。
Androidスマホでも、iPhoneでも、APN設定を行わないと通信ができません。
以下、Android・iPhone各々のAPN設定について解説致します。
Android端末の「設定」から「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」へ進みます。
「APN」の登録済みの通信会社の中に「IIJmio」があれば、それを選択するだけでAPNは自動的に設定されますが、リスト内に無い場合には、画面右上の「+」から、「アクセスポイントを編集」へ進み、必要な項目を手動で入力します。
入力する項目と内容は以下の通りです。
APN | iijmio.jp |
---|---|
ユーザ名 | mio@iij |
パスワード | iij |
認証タイプ | PAPまたはCHAP |
必要項目を入力したら、画面右上の「縦3点」マークから「保存」をタップし、入力内容を保存します。
APNのリストに入力内容が反映し「ON」になっている事を確認して、APN設定は完了です。
APN設定が完了し、少し待つと通信が確立されデータ通信が可能になります(アンテナが立ちます)ので、好きなWEB等にアクセスして、正常に通信できる事を確認します。
ここまでの設定を行っても正常に通信できない場合は、一旦、SIMカードを外して再度挿入し直す、機内モードのON/OFFを行う、電源のON/OFFを行う等を行って、通信ができるか確認します。
それでも通信できない場合には、再度、初めから「APN設定」をやり直すか、IIJmioサポートに問合せます。
iOS端末のAPN設定は非常に簡単です。
以下のURLから専用「プロファイル」をダウンロード~インストールするだけです。
プロファイルをインストールすれば通信可能になるはずですが、もし、正常に通信できない場合には、電源ON/OFF、機内モードON/OFF、SIMの脱着を行ってみて、それでも通信できない場合は、プロファイルを一旦削除し、再インストールを起こないます。
それでも通信できない場合は、サポートに問い合わせます。
⇒iOSプロファイルのDL~インストールの詳細はこちら
IIJmioはコンシューマー(個人利用者)向けのモバイル格安通信サービスですが、IIJモバイル(法人向け)サービスも合わせた「SIMカード型通信サービス」の回線数シェアで、楽天モバイルに次ぐ第2位となっています。
どちらかと言うと、法人向けサービスの方に比重を置いている感がありますが、個人ユーザー向けサービスも実直でまじめな通信会社のイメージです。
あまり派手に自社の特徴や良さをアピールしないので、どうしても地味な印象が付いて回りますが、高い技術力に裏付けられたサービスは、信頼感があり安心して利用できるサービスだと感じました。
ピーク時簡帯の通信速度低下は少々苦しいですが、もし、あまり通信速度にこだわらないのであれば、ぜひお勧めしたい通信事業者である事は間違いありません。
■引用元
Source/Photo▶格安SIM/格安スマホ・インターネットサービスのIIJmio