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【格安SIM】nuroモバイル徹底解説&比較

目次

はじめに~nuroモバイルとは

nuroモバイルは、ソニーネットワークコミュニケーションズが運営する格安モバイル通信サービス(MVNO)で、2011年にNTTドコモのFOMAハイスピード網を使った「So-netモバイル3G」(データ通信)サービスを開始し、2016年にサービス名を「nuro(ニューロ)モバイル」に改めました。

ちなみに「nuro」ブランドは、世界最速インターネットを謳う「nuro光」に始まるSo-netの高速通信サービスのブランドネームです。

nuroモバイルはキャリア3社の回線サービスを提供するトリプル・キャリア

1社のMVNOが、複数の大手キャリアの回線を使った通信サービスを提供する事をマルチ・キャリアといいますが、3キャリア全ての回線サービスを提供する事を、特に「トリプル・キャリア」という場合があります。

nuroモバイルは、前述の通り2011からNTTドコモ回線を使った通信サービスを提供していましたが、2017年にはSoftbank回線、2019年にはau回線のサービスが追加され、トリプル・キャリアとなりました。

3種類の回線サービスの料金は均一ではなく、ドコモ回線が最安、Softbank回線が最高となっています。

ドコモ回線・au回線にはSMS機能の有無で2種類のデータ通信プランがありますが、Softbank回線ではSMS機能付加のデータ通信サービスを提供していません。

他社にないユニークなサービスを提供

nuroモバイルは、他社とは一味違うユニークなサービスを提供する事でも有名で、オンリーワンのサービスもいくつか持っています。

詳細は「メリット・デメリット」で解説しますが、「データ前借り」や「0SIM」などは他社にないnuroモバイル独自のサービスとなっています。

また、So-netは自社でMVNO「nuroモバイル」を運営するだけでなく、他社のMVNO事業を手助けするMVNE事業も行っており、So-net経由で通信回線を借り受けているMVNOも少なくありません。

nuroモバイルに申込む前に準備しておくべき事

新規契約にせよ、MNP転入にせよ、契約手続きの前に事前に準備しておくべき事が4つあります。

事前準不測だと、最悪の場合、契約手続き自体が無効となってしまうケースもありますので注意が必要です。

事前準備①~本人確認書類の準備

新規契約・MNP転入の場合、契約者本人とその申込内容の確認のため、「本人確認書類」の提出を求められます。

本人確認書類は、「運転免許証」「パスポート」等の公的書類ですが、重要なのは、本人の氏名や現住所が記載されていることです。

通信会社は、提出された本人確認書類で本人の氏名・現住所などを確認しますので、提出された書類に記載の内容が現在の氏名でない、現住所ではない…と言う事になると、契約を認めません。

例えば、婚姻等で氏名が変更になっている場合、転居で現住所が変更になっている場合などは、通信会社との契約を開始する前に、提出する本人確認書類の記載事項を現状に合わせて手続きしておく必要があります。

もし、本人確認書類の記載が転居前の住所で、契約申込も旧住所で行ってしまうと、宅配業者や郵便局に転送依頼しておいても、SIMや購入スマートフォンは転送してくれません(転送不要で発送)。

そればかりか、虚偽の契約を行ったとなり、契約自体を拒否されるなど、問題が大きくなる可能性もあります。

事前準備②~有効期限内の本人名義のクレジットカード

nuroモバイルの料金支払い方法は、本人名義のクレジットカード決済のみですので、有効期限内の本人名義のクレジットカードが必要です。

もし、自分名義のクレジットカードがない場合には、事前にカードを新たに作る等の事前準備が必要です。

家族(世帯主など)が料金を支払うには

世帯主など、自分以外の家族を料金支払者にしたい場合には、クレジットカードの家族カードが使えます。

世帯主のクレジットカードで、家族カードを発行して貰う事で、カード名義は契約者本人になり、支払者は世帯主…とする事ができます。

ただ、家族カードの発行には、2週間程度の期間が必要ですので、nuroモバイルとの契約手続きを開始する前に準備しておく必要があります。

また、セゾンカード等では、カード名義人以外の家族の支払いを認めているカードもありますので、カードの支払者を変更しておくのも1つの方法ですが、こちらも一定の時間がかかりますので、事前に準備しておく事が必要です。

事前準備③~WiFi、メールアドレス

旧通信会社からnuroモバイルへ乗り換える際に、モバイル通信が利用できなくなるタイミングがあります。

特にiPhoneは、プロファイルの入替時には新旧どちらの通信会社の回線も使えないため、WiFiでの接続が必須となります。

他スマホのテザリングでも構わないので、他の通信を利用できる状況が必要になります。

またメールアドレスを新旧通信会社の入替の最中に切り替えるのではなく、予め新通信会社で利用するメールアドレスを準備しておく事をお勧めします。

事前準備④~MNP予約番号

旧通信会社から「MNP予約番号」を発行して貰わないと、現在の電話番号を持って乗換える事はできません。

もし、電話番号が変更になっても構わないのであれば、MNPをする必要はなく、旧通信会社は単純に「解約」、新通信会社には新規契約で申し込めば、新しい電話番号で利用することができます。

その場合、旧通信会社に支払う「MNP転出手数料」(3,000円)はかかりません。

MNPは、電話番号を継続利用するための仕組みです。

なお、データ専用SIM・SMS機能付きデータSIMの契約にはMNP予約番号は不要です。

MNP予約番号には有効期限がある

「本人確認書類の記載事項」や「本人名義のクレジットカード」等を事前に準備しておくのは、MNP予約番号には15日間の有効期限があるからに他なりません。

さらに、MVNO各社は、MNP予約番号の有効期限残を指定しており、nuroモバイルでは10日間となっていますので、MNP予約番号を取得してから、nuroモバイルでの手続き開始までは正味5日間しかない事になるので、MNP予約番号を取得してから書類の不備を修正したり、カード発行を待っている時間的余裕はないのです。

万が一、新通信会社との契約手続きが有効期限内に完了しない場合、全ての手続きは無効となり、旧通信会社との契約がそのまま継続する事となります。

もし、乗換え手続きをしているのが「更新月」の終盤だった場合、状況によっては「更新月」自体が終わってしまい、乗換えに「解約金」が発生してしまうケースも実際にありますので、要注意です。

MNP予約番号には有効期限がある

以上のように、MVNOへの乗り換えの際には事前に準備しておくべき事が少なくありません。

準備不足のまま手続きを開始すると、手続き自体が無効となってしまう場合があります。

本人確認書類の記載事項の変更・修正にはある程度の日数がかかりますし、クレジットカードの家族カードの発行も同様です。

そうした準備に時間を取られていると、MNP予約番号の有効期限を過ぎてしまうケースが案外多いので、事前に準備すべき事は怠らず準備しておきましょう。

nuroモバイルの申込み方法

nuroモバイルの申込みはパソコンでもスマホでも可能です。

実際の店舗は、nuroモバイルの直営店舗はありませんが、家電量販店やショッピングモール内のスマホ売り場等で申し込みが可能です。

ここでは、スマートフォンからの申込みを例にして解説します。

申込みページの冒頭には、申込みに必要な書類が記載されています。

前項の「事前準備」で記した内容と同様です。

申込みの最初は、利用したい回線を選択します。

nuroモバイルはトリプル・キャリアですので、自分の好きな(都合のよい)回線を利用する事ができます。

さらに、SIMカードのみor SIMカード+端末セットを選択、端末セットの場合には、端末の種類やボディカラー等が表示されますので、選択します。

「お申し込みと同時に端末も購入される場合は、Dプラン(ドコモ回線)をおすすめします」とありますが、これは、ドコモ回線が優れているとか、通信速度が速いと言った事ではなく、ラインナップされる端末がドコモ回線なら全ての端末で利用可能…というところで、お勧めしているものです。

続けて、利用するデバイスに合わせたSIMカードの大きさを選びます。

iPhoneは「nano」サイズになります。Andoridは最近のモデルは「nano」サイズが多いですが、メーカー各社でバラバラなので必ず適合するSIMサイズを確認する必要があります。

次に、月間で利用したいデータ容量を選びます。

nuroモバイルの料金体系はシンプルで、2GB・7GB・13GBに「お試しプラン(0.2GB)」を加えた4種類から選びます。

2GBではちょっと足りないけど7GBも使わない…と、ジャストサイズが見つけにくい面はありますが、料金プランは毎月変更(翌月1日から)できますので、2GBと7GBを交互に変更して余剰データの繰越しをうまく利用すれば、月平均4.5GBを契約しているのと同じになりますので、プラン(容量)変更は積極的に利用すべきです(プラン変更は無料)。

さらに、契約タイプを選択します。

「音声通話機能付き」か、「データ専用」「データ通信+SMS」の3種類から選ぶ事ができますが、他社で利用中の電話番号を移転(MNP)できるのは音声通話機能付きのプランのみです。

データ専用、及びデータ通信+SMS機能は、通信会社を変更の都度、新規契約となり、電話番号(識別番号)の継続はできません。

ここまでの選択を終えたら契約内容の指定は終了です。

「お客様情報の入力へ」をタップして先へ進みます。

「お客さま情報の入力」では、契約者の情報を登録します。

氏名・性別・生年月日・電話番号・住所等を本人確認書類の記載内容に沿って正しく入力します。

免許証に記載住所のマンション名が省略されている場合

免許証などの本人確認書類に記載の現住所の記載が、住所は正しいがマンション名・号室などが省略された形で記載されている場合、

  • ・本当の住所表示:××マンションレジデンスハウス201号室
  • ・免許証に記載の住所:××マンションRH 201

こうした場合には、免許証など本人確認書類に記載された表記で申し込みをします。

現住所としては間違っていないので、問題は、本人確認書類で確認した際に「一致しているか」どうかです。

正しい住所「レジデンスハウス」と記載した場合、「住所相違」と判断される場合がありますので、本人確認書類の記載通りに申込みを行います。

次に、支払情報を入力します。

nuroモバイルは本人名義のクレジットカード以外での料金・端末代金の支払いはできませんので、事前に有効期限内の本人名義のクレジットカードを準備しておきます。

カード番号・セキュリティコード・有効期限などを正しく入力します。

最後に、ここまでの「注文(契約)内容」「契約者情報」「支払情報」の入力内容を確認して、申込みを確定します。

何点かの同意事項と、アンケートの依頼があります。

紙の文書を発行せず電子交付で済ませる事で、文書発行の手間とコストを削減します。

アンケートは、応えたくなければ飛ばす事が可能です。

全ての入力を完了し、同時事項、アンケートを済ませると申込み完了となります。

申込み完了とほぼ同時に「nuroモバイルお申込み完了のご連絡」のメールを受信します。

この申込み完了メールを受信できない場合、申込みが正しく完了していないか、あるいは、登録したメールアドレスが間違っている、あるいは、メールの迷惑メール設定で弾いている等の可能性がありますので、原因と申込みが正しく完了しているかを確認する必要があります。

迷惑メールの設定等で弾いている場合には、メーラーの迷惑メールフォルダーに入っていないかを確認します。

メールアドレスの間違い、申込みの未完の場合には、nuroモバイルのサポートへ連絡して対処を求めます。

その後、審査が行われ、SIMカードや注文の端末等が届きますが、nuroモバイルからの発送時点で「nuroモバイル発送のご連絡」メールが入ります。

メール右上の日付をみると、申込みからSIM発送までに2日間かかっている事がわかります。

即日発送のMVNOが増えてきている中で、中1日空いてしまうのは少し長く感じました。

nuroモバイルの料金プラン

nuroモバイルは、3キャリアの回線を使った格安通信サービスを提供しています。

  • ●NTTドコモ回線 … 音声通話プラン・SMS付データ専用プラン・データ専用プラン
  • ●au回線 … 音声通話プラン・SMS付データ専用プラン・データ専用プラン
  • ●Softbank回線 … 音声通話プラン・データ専用プラン
    ※Softbank回線では、SMS機能付きデータ専用プランの提供がありません
  NTTドコモ回線 au回線 Softbank回線
  通話 SMS付 データ 通話 SMS付 データ 通話 データ
お試し 1,000円 450円 300円 1,200円 650円 500円 1,200円 500円
S(2GB) 1,400円 850円 700円 1,480円 930円 780円 1,680円 980円
M(7GB) 2,200円 1,650円 1,500円 2,800円 2,250円 2,100円 2,800円 2,100円
L(13GB) 3,400円 2,850円 2,700円 3,680円 3,130円 2,980円 3,680円 2,980円

※「お試しプラン」の容量は月間0.2GBまで ※表示は全て税別表示

料金の構成は非常にシンプルです。

実は、nuroモバイルは元々、月間のデータ容量を細分化したきめ細かな料金プランが特徴でしたが、2018年に改定を行い、2GB・7GB・13GBの3タイプ構成になり、さらに、「お試しプラン(月間0.2GB)」を加えて、4タイプの料金プランとなっています。

他社にあるようなシェアプランの提供はなく、1人のユーザーが単一回線での利用を前提としています。

料金体系は、ドコモ回線に関してはごく一般的な料金で、データ専用プランにSMS付加の場合は+150円、音声通話機能付加で+700円と考えると分かりやすいです。

au回線はドコモ回線よりも若干割高な設定で、全容量・タイプで200円増しとなっています。

Softbank回線は、S(2GB)プランを除き、au回線と同額に抑えています。

nuroモバイル内のNTTドコモ・au・Softbank回線間の回線変更はできません。

nuroモバイルの最低利用期間のルール

最低利用期間内解約金の金額は以下の通りです。

1か月目 2か月目 3か月目 4か月目 5か月目 6か月目
12,000円 11,000円 10,000円 9,000円 8,000円 7,000円
7か月目 8か月目 9か月目 10か月目 11か月目 12か月目
6,000円 5,000円 4,000円 3,000円 2,000円 1,000円

利用開始日の翌月を1か月目とし12,000円、以降1カ月ごとに1,000円が減額され、12か月目まで「最低利用期間内解約金」がかかります。13か月目以降は、「最低利用期間内解約金」はかかりません。

利用開始月(初月)の料金は無料となります。

また、「お試しプラン」には音声通話プランであっても「最低利用期間内解約金」は適用されません。

nuroモバイルのオプション・サービス

オプション・サービス 月額料金 備考
nuroモバイルでんわ 無料 いわゆる通話半額アプリ 10円/30秒で通話可能
10分かけ放題 800円/月 10分以内の通話を定額化 10分経過後は10円30秒
データ前借り 無料 次月の自分のデータ容量を前借り利用できる
容量チャージ(ドコモ) 600円/1GB 月間のデータ容量を使い切った場合に、1GB単位でデータを追加購入できる。
容量チャージ(au) 900円/1GB
容量チャージ(Softbank) 900円/1GB
パケットギフト 無料 nuroモバイルユーザーどうしが容量をプレゼントできる
端末保証 500円/月 あらゆる端末を補償する制度
訪問サポート 8,000円/1回 専門スタッフが自宅を訪問してサポート
遠隔サポート 3,000円/30分 30分間の基本レッスンでネットや通話方法を学習できる
i-フィルター 330円/月 有害サイトフィルタリングサービス

nuroモバイルでんわ・10分かけ放題

「nuroモバイルでんわ」は、相手先電話番号の前に特定番号を付加する(プレフィックス電話)で、通常の通話料金(20円/30秒)の半額(10円/30秒)で通話できるサービスです。

専用のアプリを使う事で、特定番号を自動的に付加して発信してくれるので、簡単&手軽に半額通話が可能です。

割安な通話回線を経由して通話するため、料金が通常の半額で済みますが、通常回線と同じ通話回線を経由しているので、通話時の音質劣化がほとんどありません。

「nuroモバイルでんわ」アプリを利用し、10分かけ放題サービスを利用する事も可能です。

「10分かけ放題」サービスは、月額800円で、10分以内の通話を定額化することができ、10分経過後も半額通話料金(10円/30秒)で通話を継続する事ができます。

「nuroモバイルでんわ」及び「10分かけ放題」に利用方法は、専用アプリから発信するか、相手先電話番号の前に「0037-692」を付加する事で適用となります。

データチャージ

月間の契約データ容量を使い切った場合には、通信速度が制限を受け200kbpsの低速でしか通信できなくなりますが、この200kbpsという速度は、メールやSNS等の高速通信を必要としないコンテンツで何とか利用できるギリギリの通信速度です。

そのため、WEB閲覧や動画視聴などには、どうしても高速通信が必要となるため、月間データ容量を使い切った後でも、追加で高速通信容量を購入する事ができます。

nuroモバイルの場合には、回線によって価格が異なりなります。

  • ●NTTドコモ回線 … 600円/1GB
  • ●au・Softbank回線 … 900円/1GB

追加チャージしたデータ容量は、「前月繰り越し分」「当月付与分」の後に消費されます。

どんなデバイスも補償する端末保証

nuroモバイルで購入したデバイスはもちろん、他所で購入して持ち込み利用中の端末でも、月額500円で補償して貰えます。

「水濡れ」「破損」「自然故障」等の場合に補償されます。

nuroモバイルで購入した端末の場合
補償期間 無期限
補償受付可能日 端末を受け取った日以降
月額料金 500円/月
対応方法 端末交換
補償内容詳細   36カ月まで 37か月~
交換機種 故障機と同一 ヤマト指定機種
水濡れ対応 ×
破損対応 ×
自然故障対応
サービス利用時のユーザー負担額 1回目 5,000円
Xperia XZ Premiumのみ15,000円
2回目 8,000円
Xperia XZ Premiumのみ20,000円
3回目以降 実費
端末持込の場合
補償期間 端末メーカーの発売日から36ヶ月間
補償受付可能日 利用開始の翌々月1日から
月額料金 500円/月
対応方法 端末交換または修理
補償内容詳細 交換機種 ヤマト指定機種
水濡れ対応
破損対応
自然故障対応
サービス利用時のユーザー負担額 1回目 5,000円
2回目 8,000円
3回目以降 実費

補償内容は、nuroモバイルで購入した端末の場合と、他所で購入した端末では若干の違いがありますが、全ての端末を、「水濡れ」「破損(落下など)」等のよくあるトラブルを対象に補償してくれるのは安心感があります。

nuroモバイルの実行速度(実測値データ)

今回の記事作成に合わせて契約したドコモ回線(データ通信SIM)の速度を、短期間ですが実測してみました。

格安SIMの宿命とも言えますが、混雑時間帯の速度低下は避けられません。

特に、昼12時台はかなり速度低下が激しく、実用速度の下限目安とされる1Mbpsを割込んでいます(赤枠は昼12時台で1Mbpsを割った計測、桃枠は昼12時台以外で1Mbpsを割った計測です)。

時間帯によっては、20~30Mbpsまで高速が出ていますので、回線に余裕がある時間帯では快適な通信ができそうですが、混雑時間帯になると急に速度が落ち込んでしまうようです。

実は、nuroモバイルの通信速度に関してはもっとネガティブなイメージを持っていましたが、20~30Mbpsを記録する等、全体的に思っていたより速度が速めの結果となりました。

ここ最近、帯域増強(※)を行ったのかもしれません。

※ 帯域増強とは
時々、MVNOのWEBサイトに「ネットワークの帯域の増強工事を行います」といった告知が掲載される事がありますが、「帯域増強」とは、簡単に言うとMNOから借りる回線量を増強して、通信速度や品質を改善する事です。

MVNOは大手キャリアから回線を借り、それを利用者に「又貸し」する事で利益を得ていますので、経営的見地に立ては、少ない回線で多くの利用者を得る事ができれば、会社として大きな利益を得られます。
しかし、あまり回線量よりも利用者が多くなりすぎると、通信品質や速度が悪化し続ける事となり、ユーザーは他社へ乗り換えてしまうため、ユーザーがギリギリ納得のゆく速度を維持するために借り受ける回線量を増加させなければなりませんが、これを「帯域増強」と言います。

「帯域増強」が行われると、それまでの限られた回線に多くのユーザーが集中していた状態が緩和され、回線が抱えるユーザー数が減る事で、通信速度の改善が見られる…というわけです。

上記の計測データの中で20~30Mbpsの快適速度が出ているのは、あまり多くのユーザーが利用しない時間帯ばかりで、この速度を見て、nuroモバイルの通信速度は「そこそこ速い」と判断する事は危険です。

通信速度というものは常に変動するため、「○○Mbps出ていれば大丈夫」とは言い難いものがあります。

特に、午前中や昼過ぎ~夕方の時間帯では利用者が少なく、計測時の速度が出やすい傾向にあるため、その時間帯にいくら速い速度が記録されても、そのSIMの全体の性能を判断する材料にはなりません。

見るべきは、やはり昼12時台の計測値です。

1日の中で最も回線が混雑する時間帯である昼12時台でも、最低限2~3Mbpsの速度がコンスタントに出ているようなMVNOであれば、昼12時台よりも負担の少ない他の時間帯も、快適な通信が可能と考えて良いはずです。

こちらは、筆者がメイン回線で利用している日本通信b-mobile Sのドコモ回線の計測値ですが、パッと見ただけで速度域が違う事は一目瞭然で、1Mbpsを割込んだ事が一度もありません。

最も速度低下が起こりやすい昼12時台であっても、最も遅いケースで「1.84Mbps」と2Mbpsに近い速度で、他の計測では昼12時でも2Mbps以上は出ています。

こうして比べてみると、やはりnuroモバイルの通信速度はあまり早い方だとは言えない事がわかります。

ただし、b-mobile Sは格安SIMの中ではかなり速度が出ている方で、多くの格安SIMは、どちらかと言うとnuroモバイルの計測結果に近い速度が一般的ですので念のため。

nuroモバイルの端末ラインナップ

nuroモバイルでは、人気のAndroidスマートフォンを購入できます。

MVNOの中には、同様にAndroidスマホを購入できても、分割支払いが不可で、支払方法が一括支払いしか選べないケースがありますが、nuroモバイルは、一括・分割を選ぶ事ができます。

SHARP AQUOS sense 2
NUROmobile mineo IIJ UQ mobile LINEmobile 楽天mobile NifMo
33,000円 33,000円 29,800円 31,644円 31,644円 29,800円 33,334円

こちらは、nuroモバイルをはじめとする主要MVNO各社の同一機種(SHARP AQUOS sense 2)の税抜き価格の一覧表です。

nuroモバイルは、端末販売にはあまり力を注いでいないようで、ラインナップ数も9機種と少なく、価格も特に割安感のある価格設定をしていません。

nuroモバイルの回線利用者に望まれるので、最低限のラインナップを揃えた点といった印象です。

また、最近増えている、CPO(メーカー純正中古端末)や、海外中古版等のiPhoneもありません。

これだけなら、スマートフォンのセット購入目当てでのnuroモバイルのチョイスは「ナシ」かもしれませんが、nuroモバイルはさすがにソニー系だけあって、他社では購入できない「Xperia」をラインナップする事があるので、Xperia を購入したい場合には、随時チェックしておいた方が良いかもしれません。

nuroモバイルは端末下取りに積極的

nuroモバイルは、MVNOには珍しく、端末の下取り・買取りサービスを前面に押し出しています。

実際に買取りを行うのは「デジタルリユース」ですが、nuroモバイルのユーザーであれば通常の買取り額+3,000円が上乗せになるので、気持ち高額査定…という事になります。

筆者も以前に実際に利用したのですが、査定額は相場通りであまり高額査定ではありませんでしたし、細かなキズなどによるマイナス査定が厳しく、減額が大きい印象で、AppleのiPhone下取りの方が、当初の見積もりと実際の買取価格の差が少ない印象を受けました。

ただ、その上に3,000円が上乗せされるので、その分を合算すると「まあまあかな」と感じました。

Apple の下取りは「Apple Storeギフト」ですが、デジタルリユースの場合は銀行振込なので、買取り額の使途の自由度が高いという点もデジタルリユースのプラス面かもしれません。

nuroモバイルのメリット・デメリット

nuroモバイルを実際に使ってみた上で感じたメリットやデメリットをまとめます。

nuroモバイルのメリット①~トリプル・キャリア

nuroモバイルでは、NTTドコモ・au・Softbankの3キャリアの回線全てのMVNOサービスを提供しているため、ユーザーの都合に合わせて回線を選ぶ事ができます。

自宅や職場などの電波状況の良し悪し(圏外など)や、利用中の端末のSIMロックの問題など、3キャリアの回線を選ばなければならないシーンでも、3キャリア回線全てのサービスを提供するnuroモバイルなら、どのキャリアからの乗換えでも受け入れる事が可能です。

■SIMロック解除できないスマホでも格安SIMを使える

2015年4月以前に発売となったスマートフォンのSIMロック解除は受け付けて貰えません。 iPhoneで言えば、SIMロック解除大砲となるのは、2015年9月発売のiPhone 6s/6sPLus以降のモデルのみで、iPhone6/6PlusまでのモデルはSIMロック解除対象外です。

しかし、マルチ・キャリアMVNOであれば、SIMロックされたままのキャリア端末でも、書くキャリア回線のサービスを利用する事で、SIMロック解除できない端末でも格安SIMで利用する事ができます。
nuroモバイルは、NTTドコモ・au・Softbank全てのキャリア端末を利用する事が可能です。

もちろん、SIMロック解除可能なモデルであれば、回線を選ばず好きなサービスを利用可能です。

nuroモバイルのメリット②~ユニークなサービス

nuroモバイルは、現在は、新規申込を停止していますが、1日5時間まで容量無制限で高速通信を使える「5時間プラン」など他社にはない独自のサービスを提供している事でも有名なMVNOです。

次月の自分のデータ容量を使える「データ前借り」

「データ前借り」とは、次月に付与される予定のデータ容量を前借りできる制度で、nuroモバイルのオンリーワンのサービスです。

通常、月間のデータ容量を使い切ってしまった場合、月末まで低速のままで我慢するか、有償で容量の追加購入をしなければなりませんが、nuroモバイルなら「データ前借り」で次月分を前倒しで利用する事ができます。

前借りして減ってしまった次月分は、またその次の月から前借りする事が可能なので、少しずつ減らしてゆけばいずれは前借りを無くすことも可能です。

前借りできる容量は10MB以上で、1MB単位で最大2GBまで前借り可能です。

月の最終日前日まで、何度でも前借りする事が可能です。

データ容量の消費順は、以下の通りです。

  • 1.パケットギフトで受け取った通信可能データ量
  • 2.パケット繰り越しで繰り越された通信可能データ量
    データ前借りで残余し繰り戻された通信可能データ量
  • 3.各プランに設定された通信可能データ量
  • 4.データ前借りにより前借りした通信可能データ量
  • 5.チャージにより購入された通信可能データ量

データ前借りは、「お試しプラン」では利用できません。

nuroモバイルどうしならデータ容量をプレゼントできる

「パケットギフト」は、家族や友人など、nuroモバイルのユーザーどうしなら、手持ちのデータ容量をプレゼントする事ができる制度です。

プレゼントできるのは、ドコモ⇔ドコモ、au⇔au、Softbank⇔Softbankの同一回線どうしに限られますが、データ専用・SMS付・音声通話付きの区別はなく、プレゼントできます。

10MB以上で、1MBごとにプレゼントする容量を決める事ができます。

毎月末最終日前日まで、何度でもプレゼント可能です。

パケットギフトは、「お試しプラン」では利用できません。

データ容量の消費順は、以下の順番で消費さえます。

  • 6.パケットギフトで受け取った通信可能データ量
  • 7.パケット繰り越しで繰り越された通信可能データ量
    データ前借りで残余し繰り戻された通信可能データ量
  • 8.各プランに設定された通信可能データ量
  • 9.データ前借りにより前借りした通信可能データ量
  • 10.チャージにより購入された通信可能データ量

nuroモバイルのメリット③~お試しプラン

nuroが提供するプランのうち、「お試しプラン」は非常にユニークです。

付属するデータ容量は僅か0.2GB(204.8MB)ですが、データ専用プランなら月額300円から利用でき、音声通話機能を付加しても月額1,000円で、しかも「最低利用期間」や「解約金」の規定がなく、いつ解約・MNP転出しても違約金等の課金がありません。

0.2GBという少なすぎるデータ容量は、600円/1GBから追加購入する事ができますし、容量の大きなプランへの変更も可能です(最低利用期間と解約金も発生しますが)。

nuroモバイルってどうなの?といったお試し利用を想定しており、気に入ったら容量の大きな通常プランを使えばいいし、気に入らなければ、多少の手間はかかりますが、他社への乗換えも可能です。

また、「お試しプラン」といっても、短期間しか利用できない規定はないので、データ通信をほとんどしない方は、そのまま通話プランとして継続的に利用する事が可能です。

【ご注意】
本稿執筆のタイミングは、「早期解約違約金」の上限を1,000円とする総務省令が施行っされる直前です。

執筆時点でnuroモバイルの「早期解約違約金」(解約金)が2019年10月1日以降に1,000円となる旨のアナウンスはありませんが、他社事例を見ると、既に、最低利用期間や違約金の廃止を公表している事業者もあれば、最低利用期間は存続させ、違約金を上限1,000円とする旨を発表した事業者もあります。

nuroモバイルは、総務省の規定である回線数シェア0.7%({100万回線}を上回る規制対象事業者ではないと思われますが、ルール変更を実施する可能性もあります。

現行の「最低利用期間12か月」「解約金9,500円」のルールを変更した場合、この「お試しプラン」に魅力が著しく損なわれるケースも考えられ、その場合には、「お試しプラン」の内容等の変更もあるかもしれません。

nuroモバイルのメリット④~バーストモード

nuroモバイルで、月間の契約データ容量を使い切った場合には速度制限を受け、最大200kbpsとなりますが、バースト機能を備えており、使い勝手を改善しています。

バースト機能とは、通信の最初の部分だけ高速通信を行うことで、データの大部分をダウンロードしてしまう事で、WEBの表示速度などを改善する機能です。

バーストがあるとないとでは、使用感はかなり違ってきますので、目立ちませんがNUROモバイルのメリットの1つと言えます。

nuroモバイルのメリット⑤~0SIM(ゼロシム)

こちらは「お試しプラン」よりもさらにユニークです。

「0SIM」(ゼロシム)は、月間499MBまでのデータ通信が無料で利用できる通信SIMで、元々は、雑誌の付録として誕生しましたが、nuroモバイルの定番サービスとしてそのまま存続し続けています。

月間499MBまでは無料で、500MB~2GBの間は、100MBごとに月額料金が加算される「従量課金制」プランで、2GB~5GBの間は月額1,600円の定額となる「固定課金制プラン」となっており、2タイプの料金制が組み合わされています。

データ専用SIMとしてだけでなく、SMS機能150円/月、音声通話機能700円/月を付加することができます。

データ通信を499MB以内に抑えれば、業界最安値の700円で音声通話SIMを維持する事ができます。

音声通話機能を付加した場合、オプションの「nuroモバイルでんわ」「10分かけ放題」(800円/月)も利用可能です。

nuroモバイルどうしならデータ容量をプレゼントできる

非常に割安に音声通話SIMを維持する事ができる「0SIM」ですが、残念ながら、通信速度が非常に遅いので、その点は覚悟しておかなければなりません。

実用速度の下限目安と言われている「1Mbps」を割るのは当たり前で、混雑時以外でも、継続的に極低速となりますので、利用する場合には、注意が必要です。

nuroモバイルのメリット⑥~MVNE業務

ユーザーに対して格安通信サービスを提供している事業体がMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)ですが、MVNOに対して、回線やノウハウの提供を行ってMVNO事業をサポートする事業をMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:仮想移動体サービス提供者)と言います。

「So-net」(ソニーネットワークコミュニケーションズ)は、MVNOとしてnuroモバイルを運営する傍ら、MVNEとして他社MVNOに回線やノウハウなどを提供するMVNE事業を行っています。

先日、Softbankグループ傘下に入った後に「au回線サービス」の提供を開始して世間を驚かせたLINEモバイルのau回線は、MVNEとしてSo-netから供給を受けている等があります。

So-netがMVNE事業を行っている事はnuroモバイルのユーザーとして特に恩恵はないと言えますが、MVNEとして他社に技術供与を行えるような技術力の高さは、nuroモバイル独自のサービス提供に生かされているのかもしれません。

nuroモバイルのデメリット①~料金プランが少ない

nuroモバイルの料金プランは、よく言えばシンプルですが、選択肢が少ないのはやはりデメリットです。

トリプル・キャリアとして通信回線に3つの選択肢があるのは大きなメリットですが、各回線のデータ容量の区分はお試しプランを入れても4つずつしかありません。

1GBしか利用しないユーザーでも2GBぶんの料金を支払わなければならず、3GUBしか使わなくても7GBぶんの料金を支払わなければならず、事業者側からみれば、少しずつでも多めの料金を徴収できるのでプラスですが、ユーザー側から見た料金高率は良いとは言えません。

また、最大でも13GBまでしか設定がなく、大容量への対応が不足しています。

せめて、15GB,20GB程度のプランはあっても良いのではないでしょうか。

nuroモバイルのデメリット②~通信速度が遅い

nuroモバイルの通信速度は決して速いとは言えません

MVNOの宿命として、通信混雑時間帯~朝夕・昼12時台・夜間~では通信速度が低下する傾向がありますが、nuroモバイルの場合には、混雑時間帯以外でもWEBサクサク…といった高速通信感は感じられません。

具体的な通信速度については、前述の「通信速度実測値」の項に記していますが、世の中は、「料金安いから通信速度は遅くても致し方ない」から、「料金が安くても実用的な速度は維持すべき」という認識になってきていますので、現状の通信速度ではユーザーの満足感は得られないのではないでしょうか。

もちろん、実用速度を大きく割り込んでいて「使い物にならない」というレベルではありませんが、世界最速インターネットと同じ「nuro」を冠しているのであれば、もう少し速いとイイのですけれど…。

nuroモバイルのデメリット③~高速・低速切替え不可

人気MVNOで提供されている、いわゆる「低速モード」がnuroモバイルにはありません。

「低速モード」は、通常の高速通信容量を使い切った際に速度制限として提供する低速(200kbps)をユーザーの任意で利用できる仕組みで、メールやSNS等の高速通信を必要としない場合や待受け時に低速に設定する事で、有償の高速通信容量を節約できます。

nuroモバイルは、この高速⇔低速の切換え機能がないため、常に高速データ容量を消費します。

nuroモバイルのデメリット④~速度制限

MVNO各社で、いわゆる「3日間通信速度制限」が行われています(全社ではありません)。

nuroモバイルでも「3日間通信速度制限」のルールがありますが、その内容は明確に示されていません。

WEBには「当日を含む3日間の合計データ通信量が、規定値を超えた場合当該SIMカードを使った通信の速度を制限する場合があります。通信速度制限は、翌深夜~朝方に解除いたします。」と記述されていますが、「規定値」が何MBなのか明記されていません。

速度制限は、月間の契約データ容量を使い切った場合にも行われますが、追加購入で速度を高速に戻す事が可能です。

しかし、「3日間通信速度制限」では追加購入での速度回復はできず、連続する3日間のデータ使用量の総量が規定値を下回った場合に解除される仕組みです。

「3日間通信速度制限」は、特定のユーザーだけが大量のデータ通信を行い回線を占有してしまうのを防ぐために設けられているルールですが、その基準は各社ことなります。

nuroモバイルの場合は、規定値が明記されていませんが、ネット上などの実際のユーザーの声などから、400MB/3日間ではないかと推測されます。

nuroモバイルのデメリット⑤~データ追加購入が1GB単位

料金プランもそうですが、nuroモバイルの料金体系は、選択肢を少なくしシンプルにまとめる傾向があり、データ容量の追加購入に関しても、3キャリア回線とも「1GB」単位のみとなっています。

他社では、200MBなど小容量の選択肢を設けている場合や、Y!mobile・UQmobile等のサブブランド系では500MB単位での購入がデフォルトとなっているケースも少なくないのですが、nuroモバイルの場合には、ほんの少し容量が足りない場合でも、1GBを購入しなくてはなりません。

せめて、現行の半分の500MBでの追加購入があるとよいのではと思います。

nuroモバイルのデメリット⑥~回線変更ができない

nuroモバイルのメリットの1つに、NTTドコモ・au・Softbankの3種類の通信回線を選ぶ事ができる「トリプル・キャリア」である事が挙げられます。

確かに、他社からの乗換えの際には、3つのキャリアのどこからでも利用できる回線があるという点でメリットである事は確かですが、残念ながら、nuroモバイルの中で回線を変更する事はできません。

例えば、契約時にはドコモ回線だったが、転居先でドコモは電波状態が芳しくないので、auか、Softbank回線を使いたいと思っても、nuroモバイル内での変更には対応しておらず、他社通信会社へ再度乗り換えなければなりません。

マルチ・キャリアとして複数の回線サービスを提供している事業者は増えていますが、社内で回線を切り替えることができるのは、未だにmineoのみですので、nuroモバイルの使い勝手が特段悪いわけではありませんが、MVNEとしての技術力もあるのですから、実現して欲しい機能の1つです。

nuroモバイルのデメリット⑦~店舗数が少ない

nuroモバイルは、大手家電量販店やショッピングモール等の携帯売り場で契約する事が可能ですが、直営店舗はありません。

携帯売り場でも、nuroモバイルのノボリや看板が出ている訳ではないので、どこで契約すれば良いのか分からないといった声もあります。

多くのMVNOがそうですが、独自店舗維持には非常にコストがかかるため、収益規模の小さなMVNOでは独立店舗を持つのは難しいのは事実ですので、nuroモバイルだけの問題ではなく、MVNO業過全体の問題となっています。

筆者所感

記事作成のためにnuroモバイルを使うのは4回目です。

ドコモ回線が2回、au回線・Softbank回線が1回ずつです。

個人的な「0SIM」の契約も含めると5回目と言う事になりますが、いつもnuroモバイルに思うのは、通信速度の遅さです。

筆者は、特に動画視聴が多いという訳ではありませんが、WEB閲覧をしている際などにサクサクと表示されないのが非常に嫌な人であり、動画視聴ほどの高速は必要ありませんが、常時2~5Mbps程度の速度をコンスタントに出してくれないとイライラしてしまう傾向があります。

よく事例に出すのが、「お昼休みのランチ検索」です。

1日の中で最も回線が混雑する昼12時台のお昼休み、気が急く短い時間の中で、画像点数が多いグルメサイト

を閲覧しランチを探し、マップでルート案内をさせる…、そうしたシチュエーションはある程度の通信速度を要求します。

このシチュエーションで格安SIMを使う場合、サクサクまでは望めないにしても、表示が止まってしまったり、いつまでの砂時計が回って進まない状態が続くなど論外です。

そうした観点から、個人的なメイン回線は日本通信のb-mobile S ドコモ回線を使っています。

b-mobile Sは目立ちませんが、混雑時の速度低下が1~2Mbps程度に収まるので、特別速い訳ではありませんが使い勝手は良いと思いつつ利用していますが、記事作成用にnuroモバイルを契約して利用するといつも思うのは、速度不足です。

デメリットに、プランの選択肢が少ない事や、追加購入が1GB単位である事、低速モードがない事等を挙げましたが、その辺りのデメリットは「決定的」なものではないと考えています。

通信速度が出ていて快適に利用できればそうした不満があっても使い続けると思うからです。

突き詰めるところ、理想の格安SIMとは「速くて安いSIM」に他なりません(あくまで筆者の意見ですが)。

つまり、音声通話以外の全ての機能・コンテンツ利用に関わる「データ通信」の品質こそが「肝」と言えると考えます。

いくらプランが充実していても、オプション・サービスが充実していても、人気スマホが分割購入出来ても、通信速度が遅いのではSIMそのものの価値がありませんし、また、料金が高くても無意味です。

そういった意味で、筆者の求めるSIMは「速くて安いSIM」という訳です。

そうした観点から見ると、nuroモバイルは少し、速度の面で足りないのではないか…そう思います。

独創的なオプション・サービスの提供はいかにもソニーらしいと感じますが、相対評価は「もう少し頑張りましょう」になってしまいそうです。

nuroモバイルの各種手数料

登録事務手数料 3,000円
SIMカード準備料 400円
最低利用期間内解約金 0~12,000円(※)
MNP転出手数料 3,000円
音声通話料 700円
SMS機能料 150円
SIM切換え手数料 3,000円
SIM有償交換手数料 3,000円
SIM損害金 3,000円
SMS送信料金 3円~/1通
国債SMS 50円~/1通

登録事務手数料は他社と同レベルの3,000円で高くも安くもありませんが、SIMカード準備料400円が別途かかります。他社では、SIM発行手数料を課金しない事業者もありますので、400円分だけ余分に費用が掛かる事になります。

※最低利用期間内解約金について
サービス開始月当月を12,000円とし、12か月後まで毎月1,000円ずつを減額した金額が課金されます。
13か月目に無料となりますが、MNP転出手数料とは別ですので、最低利用期間経過後であっても転出時には3,000円の「MNP転出手数料」がかかります。
お試しプランに「最低利用期間内解約金」はかかりません。

データ専用SIMに、SMS機能を付加する場合には150円/月、音声通話機能を付加する場合には700円/月の費用が加算となります。どこも・au・Softbank共通の金額です。

SIM関連のコストが多いのは特徴的です。

「準備料」以外の「切換え手数料」「有償交換手数料」「損害金」などが何を指すのかは明記がありませんが調べてみました。

  • ●SIMカード準備料 … 新規契約(MNP転入含む)時にSIMカードを発行する手数料
  • ●SIM切換え手数料 … Micro⇔nanoなど、SIMカードのサイズを変更する際にかかる手数料
  • ●SIM有償交換手数料 … SIMカードを紛失・破損した場合に再発行する手数料
  • ●SIM損害金 … 解約時にSIMカードを見返却、または返却したSIMカードに破損があった場合に請求

SMS通信料は、国内の場合は1通辺り3円~、国際SMSの場合は50円~となっています。

nuroモバイルの利用開始と端末初期設定

nuroモバイルに申込みを行い、審査に通過するとSIMカードが自宅に届きます。

荷の中身はシンプルで、納品書×1、利用マニュアル×1(A4用紙1枚裏表)、SIMパッケージ、SIMカードの4点です。

今回届いたSIMカードはnanoサイズで、マルチカット・タイプ(※)ではありませんでした。

※マルチカットSIM
標準サイズ・Microサイズ・nanoサイズのSIMが1枚のSIMになっており、使用する端末によって切れ目から抜いて好きなサイズで利用できるSIMカードで、最近、多くのMVNOで採用されています。

SIMカードのみの注文の場合はポストインで届くケースがある

他のMVNOではあまり経験がないのですが、今回のnuroモバイルのSIMカード(筆者はデータ専用SIMの契約)がポストイン(投函)で届きました(つまり手渡しではなかったという意味です)。

SIMカードはポストに届いてはいるものの、手元に無い状態のまま、SIM到着日のタイミングで「nuroモバイル利用開始のご連絡」メールが届きました。

手渡しでの配送だと、必ず在宅している必要がありますが、nuroモバイルの場合にはポストインなので、留守中でもSIMを受け取れるのはメリットと言えますが、一方では、まだ手元にないのに「開通」してしまうのはあまり気持ちの良いものではありません。

nuroモバイルは初月のプラン料金が無料ですので、開通したといっても、手元にないSIMから請求が上がる訳ではないので、気にする必要はないのかもしれませんが、手元に来てから開通して欲しいと思いました。

到着物の中身を確認する

SIMカードのみの注文の場合にはSIMサイズを確認し、先に受信した「開通のご連絡」等のメールに記載されたSIMが、実際のSIMカードに記載の番号と一致しているかを確認します。

端末を購入した場合にはSIMカードサイズと端末の機種やボディカラー等に間違いがないか確認します。

SIMや購入端末の確認を終えたら端末の初期設定を行います。

新品のスマホでなくても、新たにnuroモバイルの通話・通信を利用するには端末の初期設定が必要です。

Androidスマートフォンの初期設定

AndroidスマホのSIMトレーを引き出し、SIMカードをセットして本体に差し込んでください。

その際に、トレーにSIMカードを乗せる向きや裏表に注意してください。

まや。機種によってはSIMのセットはトレーに乗せるのではなく直接差し込む場合もありますので、機種の取扱説明書を読んで、SIMカードのセット方法を確認してください。

また、デュアルSIM仕様のAndroidスマホの場合、SIMをセットする場所が2か所ありますが、特にどちらかにしなければならない指定はありません。好きな方にセットして大丈夫です。

端末にSIMをセットしたら端末の初期設定として「APN設定」(※)を行います。

※APN設定とは
APNは、Access Point Nameの略で、データ通信ネットワークにおいて接続先を特定するための識別子ですが、特に覚えておく必要はありません。スマホを新しい通信会社の回線で利用する際に必要な設定だと言う事だけを覚えておいてください。

APN設定の手順

端末本体にSIMカードをセットしたら、デュアルSIM仕様の場合には、2枚のSIMを音声通話・データ通信各々にいずれのSIMを使うのかを設定します。

「設定」→「ネットワークとインターネット」→「デュアルSIMカード設定」と進み、音声通話・SMSメッセージ・モバイルデータ通信」の3項目それぞれにSIMを割り当てます。

次にAPN設定を行います。

「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント」→「APN」と進み、APN一覧から契約した通信会社を選択します。

もし選択肢に通信会社名がない場合には、ページ右上のメニューからAPNを手動で追加しなければなりません。

nuroモバイルの場合には、「nuroモバイル」や「nuro mobile」といった表示の場合もありますし、事例のように運営会社である「Sony Network Communications」と表示される場合もありますが、いずれかを選択すればAPN設定は完了です。

リストに「nuro」も「Sony Network Communications」もない場合には、手動でAPN設定を行います。

  • ・名前 … 自由に名付けてください 例えば「nuroモバイル」
  • ・APN … so-net.jp
  • ・ユーザー名 … nuro
  • ・パスワード … nuro
  • ・認証タイプ … CHAP or PAP

上記の情報を所定の項目に入力します。

上記以外の項目は、既に入力があればそのままに、無い場合は空欄で構いません。

必用項目の入力が終わったら、ページ右上のメニューから「保存」します。

1ページ戻って、「APN」に自分で名付けた名称(例えば「nuroモバイル」)がリストに入っていれば成功です。

APN設定が完了すると、自動的に電波を掴んで通信可能になりますが、しばらく待っても通信できない場合には、電源ON・OFF、機内モードON・OFF、SIMの抜き差しを行うと電波を掴む場合があります。

それでも通信できない場合には、nuroモバイルのサポートへ連絡してください。

iPhoneの初期設定

iPhoneの初期設定方法は以下の通りです。

まず、最初にiPhone本体の右側面のSIMトレーを引き出し、nuroモバイルから送られてきたSIMカードの向きを間違えず(※)に置き、本体に差し込みます。

※iPhoneの場合は、iPhoneに正対した状態で引き出したSIMトレーの右上側にSIMカードのカットされた角が合うように置きます。
iPhoneは、トレーにSIMを乗せる際に全て同じ方向となります。

iPhoneにSIMカードをセットしたら、nuroモバイルが発行する「構成プロファイル」(※)をダウンロード~インストールすることで設定出来ます。

nuroの構成プロファイル

iPhoneは、プロファイルをインストールする事で自動的にAPN設定が完了する仕組みになっています。

構成プロファイルは1台のiPhoneに1つしか設定できませんので、過去に利用していた通信会社のプロファイルがインストールされている場合には、そちらを先に削除してから、nuroモバイルのプロファイルをインストールします。

プロファイルをインストールして少し待つと電波を受信して通信可能となります。

しばらくしても通信可能にならない場合には、電源ON・OFF、機内モードON・OFF、SIMトレーの出し入れなどを行うと電波を掴みやすくなる場合があります。

それでも正常に通信できない場合には、nuroモバイルのサポートに相談してください。

ご利用者向けページへのログイン方法

データ使用量確認・容量残量確認・プラン内容確認・容量追加購入などが行える「ご利用者向けページ」(いわゆるMy Page)へは、SIMに同梱のマニュアルに詳しい説明があるので参照してください。

SIMカードに記載されている、電話番号とパスワードでログインします。

【注】nuroモバイルの「ご利用者向けページ」はアプリではなくWEBサイトです。

nuroモバイル 徹底解説まとめ

nuroモバイルは、ソニー系のMVNOとして、ユニークなオプション・サービスをはじめ、他社では取扱う事ができないXperiaの高級モデルをラインナップする等、独自路線をゆくMVNOで、非常に面白い存在だと思いますが、惜しむらくは通信速度がパッとしないことでしょう。

朝夕・昼12時台・夜間等でも、2~3Mbpsを維持してくれればもっと人気が出てもおかしくないと思います。

広告・告知もあまり上手とは言えませんし、全体的に地味な印象で、あまり一生懸命、ユーザーを集めようとしていないのかなとさえ思うような雰囲気を感じます。

しかし、少なくとも世界最速インターネットを謳う「nuro光」と同じ「nuro」を冠しているのですから、通信の速さに関してはもう少しこだわって欲しいところです。

NTTドコモ・au・Softbankの3社の回線サービスを1社で取り扱うのは乗換え先として選択しやすさがありますが、回線間の変更ができないなど、利便性に関しても今1つ突き抜けていないと言うか、中途半端な印象です。

「データ前借り」等の独自のサービスを生み出せる企業なので、何かしてくれるのでは?という期待は常に感じさせるのは、さすがにSony系と言えますが、イメージだけでなく、是非本当にしっかりした通信品質・速度を実現して貰いたいと思います。

引用元

Source/Photo:nuroモバイル