ここでは、楽天モバイルを利用する上でのメリットやデメリットをピックアップします。
楽天モバイルのメリット~楽天経済圏
楽天モバイルは、楽天市場を中心とする「楽天経済圏」の一部に組み込まれています。
そのため、楽天モバイルでの利用料金に応じて「楽天ポイント」が付与・利用する事ができます。
他の楽天サービスを利用して得た手持ちの楽天ポイントを、料金や手数料に充当する事ができますし、逆に楽天モバイルで得られたポイントを、他の楽天サービスで利用する事ができます。
料金プランなどにも楽天会員向けの優遇が設定されていますし、通話SIM契約者は楽天市場での買い物の際にポイントが2倍になる等の優遇措置もありますので、日ごろから楽天のサービスをよく利用している方ほど、お得になると言えます。
楽天モバイルのメリット~マルチキャリア
1社で、複数の通信回線サービスを提供している通信事業者を「マルチキャリア」と呼びます。
マルチキャリアのメリットは、他社製スマートフォンの利用可否の間口が広くなる事にあります。
楽天モバイルの場合には、NTTドコモ回線とau回線の通信サービスを提供しているため、NTTドコモで購入したスマホ、auで購入したスマホを、一部例外(※)を除きSIMロック解除不要で利用する事が可能です。
以下は、iPhoneの利用可否一覧です。
回線種別 |
ドコモ回線プラン |
au回線プラン |
端末 |
ドコモ版 |
au版 |
Softbank版 |
ドコモ版 |
au版 |
Softbank版 |
iPhone 5s |
〇 |
× |
× |
× |
〇 |
× |
iPhone6/6Plus |
〇 |
× |
× |
× |
〇 |
× |
iPhone6s/6sPlus |
〇 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
iPhoneSE |
〇 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
iPhone7/7Plus |
〇 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
iPhone8/8Plus |
〇 |
△ |
△ |
△ |
〇 |
△ |
iPhone XS/XS MAX |
〇 |
△ |
△ |
△ |
〇 |
△ |
iPhone XR |
〇 |
△ |
△ |
△ |
〇 |
△ |
〇:SIMロック解除不要で利用可、△:SIMロック解除で利用可、×:SIMロック解除・利用不可 |
※MNP:Mobile Number Portability(番号持運び制度)~現在の電話番号を通信会社を移っても使い続けられる制度
Androidスマホに関しては、スマホメーカー各社から数多くの機種が発売されているため、端末の利用可否をパターン化する事ができませんので、楽天モバイルの「動作確認済端末」にて機種ごとに確認してください。
→楽天モバイル: 動作確認済み端末
楽天モバイルのメリット~豊富な端末ラインナップ
2019年1月現在、楽天モバイルが販売するスマートフォン端末は30機種以上となっています。
これは、大手キャリアを含めても業界最多のラインナップ数ですが、さらに、タブレット、モバイルルーター等も取り扱っており、豊富なラインナップは楽天モバイルのメリットの1つとなっています。
楽天モバイルのメリット~iPhoneが買える
楽天モバイルは、大手キャリアと資本関係がないため、国内正規版の新品iPhoneは取扱う事はできません(※)が、海外版や、CPO(メーカー整備済み中古端末)のiPhoneを購入する事ができます。
海外版で中古端末でありながら、価格は国内正規版と同等の価格設定のため、価格的なメリットはありませんが、楽天経済圏の中でiPhoneを購入したいと言う場合には選択肢となります。
※2019年秋のMNO事業開始に伴い、通信キャリアとして国内正規版iPhoneの取扱いを開始するはずですが、MVNO事業でも国内正規版iPhoneを取扱う事も予想できます。
楽天モバイルのメリット~低速なら無制限無料で使える
楽天モバイルは、通常の4GLTEの高速通信に対して、楽天モバイルアプリから任意で、通信速度を下り最大200kbpsの低速に切替える事で、無料でデータ通信を利用できる、いわゆる「低速モード」を利用できます。
楽天モバイルは「カウントフリー」サービスの提供はありませんが、低速設定時には高速通信容量を消費しませんので、「低速モード」を有効活用する事で、カウントフリー同様に高速データ容量を節約する事ができます。
ただし、通信速度の項で解説したように、楽天モバイルの「低速」は他社と比較してより低速となっています。
楽天モバイルのメリット・デメリット~データシェア
楽天モバイルでは、余ったデータ容量をシェアする事ができます(ドコモ回線のみ)。
1人で2回線利用しているケースも含め、楽天モバイルの他回線とデータ容量を分け合う事が可能で、余ったデータを無駄にせず有効に利用できるという点でメリットと言えます。
しかし、mineoやLINEモバイル、NUROmobile等の他社でも同様のサービスが提供されていますが、全て無料で利用する事ができます。
楽天モバイルでは、月額100円のコストがかかるので、この点ではデメリットとも言う事ができます。
「月額100円なら構わない」と思うかもしれませんが、シェアする回線全てに100円ずつ料金がかかるため、5人でシェアする場合には、各回線100円ずつ、合計500円の料金が必要となります。
楽天モバイルのメリット・デメリット~口座振替
楽天モバイルは、格安SIMではめずらしく料金支払いに口座振替を利用する事ができます。
みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行等の都市銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行などのネット専業銀行など多数の銀行の口座振替が可能で、ネット上で手続きができるなど利便性が良い事はメリットと言えます。
しかし、前項同様、口座振替の利用には月額100円の支払い手数料がかかる上、口座振替で支払いが可能なのは初期費用と毎月の料金のみで、端末やアクセサリーの購入代金はクレジットカードのみの決済となっている点ではデメリットと言えます
楽天モバイルのデメリット~通信速度はちょっと遅め
正直言って、楽天モバイルの通信速度は速いとは言えません。
動画・映画・アプリ等の大容量ファイルをサクサクとダウンロードするといったシチュエーションは苦手です。
もちろん、最低限の実用性は備えているので、一般的な日常の使用においてストレスを感じる事はほとんどありませんが、ピーク時間帯の利用や、大ファイルのデータ通信時でも快適な通信を望む方にはお勧めできません。
通信速度の詳細は、「高速データ通信の通信速度について」をご覧ください。
楽天モバイルのデメリット~通信の最適化を実施
楽天モバイルは「通信の最適化」を実施しています。
「通信の最適化」とは、通信帯域の削減を目的として、モバイル通信事業者が実施する通信の非可逆的圧縮などの通信の変換を言います。
具体的に言うと、通信を利用するユーザーが集中するピーク時間帯等において、通信速度の低下を改善するために、ユーザーが送信するデータを圧縮する事で回線の混雑を緩和しています。
この圧縮は「非可逆的圧縮」で、一旦圧縮されたデータは元に戻すことができません。
「非可逆的圧縮」で画像が圧縮された場合には、理論的には送信サイズが小さくなるため通信帯域の削減となり、通信速度の低下を改善できますが、画質は劣化し元に戻すことができません。
このため、送信した画像と、受信した画像が同一ではなくなる事から「著作権法における同一性保持権侵害」の疑いがあるのではないか、また、送信ファイルが画像である事を調べなければ最適化できない事から「通信の秘密」を侵害する行為ではないか…等々によって批判を受けている仕組みです。
楽天モバイルの「通信」に関する注意事項に以下の記述があります。
mineo・NUROmobileなど、他社でも通信の最適化を実施しているMVNOはありますが、その多くは、通信の最適化を受けずに通信可能な「回避方法」を用意しユーザーに提供しています。
「回避方法」を用意する事で、上記「同一性保持権侵害」や「通信の秘密の侵害」等により最適化に納得できないユーザーに配慮していますが、楽天モバイルには回避方法の開示はありません。
必然的に、楽天モバイルのユーザーは、楽天モバイルが通信の最適化を実施した際には、これを回避する方法はなく、全てのユーザーに適用される事となります。
通信の最適化を回避する方法を提供しない姿勢をどう捉えるかで、楽天モバイルという通信事業者の印象は違ってきます。
筆者としては、少なくとも通信の最適化を開始する以前に契約したユーザー~つまり、最適化の実施を前提に契約していないユーザーに対しては、回避方法を提供すべきと考えます。
ちなみに、UQmobile、IIJmio、LINEモバイル等、通信の最適化を行っていないMVNOもあります。
楽天モバイルのデメリット~分割払いはクレジットカード依存
楽天モバイルで端末を購入する際には「分割購入」ができず、「一括購入」しか選択肢がありません。
楽天モバイルで端末を分割購入する場合には、クレジットカードのリボ払いの利用となりますが、この場合、クレジットカード会社によって「分割金利手数料」が上乗せとなり、楽天モバイルで購入した端末代金に金利分が上乗せとなる分だけ割高となります。
利用可能なクレジットカードは、楽天カードと、VISAカード/MASTERカード(提携カード含む)となっており、楽天カードに限り、分割金利手数料の上乗せがなく、ここでも楽天グループサービスへの誘導が行われています。
楽天カード以外も指定できますが、クレジットカードのリボ払いの実質金利は15%と非常に高率ですので、できるならクレジットカードのリボ払いでの端末購入は避けた方が無難です。
実は、楽天モバイル以外でも、一括価格と分割価格が若干異なるMVNOは少なくありませんが、リボ払いほどの価格差は生じませんので、端末分割払いが前提であれば、楽天モバイル自体を候補から外す事も検討された方が良いかもしれません。
楽天モバイルのデメリット~当月解約は15日申込分まで
楽天モバイルを解約する場合には、解約申込みのタイミングに注意が必要です。
通話SIM・データSIMいずれも、当月内の解約はその月の15日までに解約申込みを行う必要があります。
15日までに解約しても月末までは利用可能ですが、15日を過ぎてしまうと当月末での解約はできません。
16日以降の申込みの場合は翌月末の解約となります。
他社の多くは月末最終日、あるいは、その前日までの手続きで当月解約となるケースが多く、これも楽天モバイルの独自ルールであり、使いにくさを助長するデメリットの1つです。
オプションサービスの解約は、25日までの申込みで当月末解約となります。
楽天モバイルのデメリット~データSIMでも最低利用期間あり
楽天モバイルでは「エントリーパッケージ」を利用した場合には、データSIMの契約であっても6か月間の最低利用期間が設けられていますので、短期利用の方は注意が必要です。
エントリーパッケージの利用に関わらず、他社では「データSIM」に最低利用期間が設けられる事はありませんので、これも楽天モバイルだけの独自ルールであり、デメリットの1つです。
楽天モバイルのデメリット~サポートが繋がりにくい
楽天モバイルに限らず、格安通信会社はできだけ経費を切り詰めているため、サポート体制が貧弱である事は否めませんが、楽天モバイルの電話サポートは非常に繋がりにくいと評判です。
実際にサポートに電話してみると分かりますが、昼時や15時台、17時以降の混雑する時間帯以外でも電話が繋がりにくく、サポートを受けにくい印象がありました。
また、電話サポートの受付終了時刻も18:00と早く、仕事を定時で終えると1時間の猶予しかない上に、17時台は混雑していて繋がりにくく非常に不親切な印象で、できるだけ電話サポートを受けたくないのかと感じます。
ちなみに、mineo・UQmobile・BIGLOBEmobileは9:00~21:00、Y!mobileは9:00~20:00となっています。